マネジメントブログ

2023年のCBP501動向を振り返って

12月29日、株式市場は今日が大納会で、年内すべての取引が終了しました。
私たちは規制当局対応や待機の続く気の抜けない年末年始になりますが、この区切りのタイミングで2023年のCBP501開発を振り返ることにします。

昨年12月29日にすべての投与群で所定の投与を完了したCBP501臨床第2相試験は、その後のフォローアップを4月にカットオフし、データ固定、統計解析など論⽂・学会発表等でデータを公表するための準備を本格化しました。

この内容は10月のESMO年次総会でポスター発表され、おかげさまで大きな反響を受けました。
発表内容の解説はこちらのブログ記事をご一読ください。

このポスター発表に先立ち開催された膵臓がんに関する注目アブストラクトを紹介するセッションにおいて、膵臓がん治療の改善に向けた革新的戦略を探求している臨床試験のひとつとして、このCBP501臨床第2相試験がとりあげられ、セッション登壇者Benedikt Westphalen医師(ミュンヘン大学病院)から

この3剤併用のような化学免疫併用療法は進行膵臓がん治療の新たな地平を開く可能性がある

とコメントされたことは、私たちのような小規模バイオテク企業がこつこつと積み上げてきた成果に対する大変な名誉です。
この影響もあってその後、欧州からのさまざまなコンタクトが増加しています。

今年1月27日には、FDAから膵臓がんに対するオーファンドラッグ指定の通知を受領したことを公表しました。
将来に向けて意味の大きな指定獲得と考えています。

米国での臨床第3相試験開始に向けた準備も進みました。
6月のこちらのブログ記事で書いているとおり、FDAとの協議について皆さんにお知らせできる情報がとても限られてしまう状況が現在も続いています。
根拠のないご期待を煽ったり、あるいは逆に、理由のない失望を誘ったりしてしまわぬよう、この期間がいつ頃終わるか・どのような内容になるかなどについて、現在も引き続きコメントできないことをご了承ください。
現在も、どちらの可能性もあり、どちらともわかっていません。

この途上で、従来私たちが目標に掲げていた「2025年末〜2027年上市」に関し、すべての手続や試験が理想的に進んだ場合を想定した「2025年末」を削除せざるを得なくなったことは、ご期待をいただいていた皆様にとっても私たちにとっても、非常に残念なことでした。
とはいえ、目標期間の終期として掲げている2027年上市には変更ありません。
現在もその可能性は堅持されていると私たちは考えていますし、それを揺るがさないために、FDAとの協議以外にもさまざまな活動を現在並行しています。

上記のようにESMO2023の膵臓がんセッションで私たちの臨床第2相試験がとりあげられた際に

化学免疫併用療法の組み合わせは今後さらに最適解を見つける努力を(医学界や製薬業界が)続ける価値がある

とコメントされたとおり、私たちがCBP501を含む3剤併用投与で実現しようとしているような化学免疫併用療法は、(特に「化学療法」を組み合わせる点において、)規制当局にとっても新しい試みです。
彼らもまさに「最適解を見つける努力」の真っ最中で、その証明の方法を模索しているところのようです。
そのため、指摘や指示もさまざまで、ときには一貫性のないこともあります。

それらをひとつひとつ共同で解決していく協議は、しんどいことも多い一方で、今後に向けた意義の大きなものですから、私たちも腰を据えて臨んできました。
協議の内容については、試験開始承認など次のお知らせの際に、改めてもう少し詳しくお伝えできると思います。