創薬バイオベンチャー企業キャンバスにご興味をお持ちいただきありがとうございます。
最優先で開発を進めている抗がん剤候補化合物「免疫着火剤」CBP501について、極めて難治とされる膵臓がん3次治療を対象とした臨床試験(フェーズ2試験)で成功を収めることができその成果は2023年10月開催のESMO(欧州臨床腫瘍学会)でも注目をいただきました。
米国では最終試験ではなく臨床2b相試験の開始承認となり、現在は承認を獲得する第3相試験の開始に向けて、欧州規制当局との協議や具体的な準備を進めています。その一環として2024年8月、欧州オーファンドラッグ指定を受領しました。
第2のパイプラインである可逆的XPO1阻害剤CBS9106は、ライセンス先Stemline社が、臨床第1相試験を終え、次相臨床試験の検討がなされています。
さらに、次世代の臨床開発パイプラインを創出する基礎研究活動も、順調に進んでいます。その中から、有望な動物実験データを示す免疫系抗がん剤化合物CBT005が得られ、前臨床試験開始へ向け準備を進めています。
一般に、創薬企業による自社創出の各パイプラインの開発戦略は、製薬企業等との提携によって開発資金の調達や共同開発・開発負担の軽減を図る「創薬基盤技術型」と、自ら一気通貫で後期開発まで進める「創薬パイブラン型」に大別できます。
当社は、各パイプラインの状況ごとにリスクとリターンを勘案して、最適の事業モデルを選択していく考えです。
しかし、より早く患者さんの元にお届けするには、これ以上開発スピードを落とすことはできません。
ROI(投資収益率)やIRR(内部利益率)等の社内試算も厳格に行いつつ、中長期の企業価値最大化のための研究開発投資を積極的かつ継続的に実施したいと考えています。
幸いなことに、臨床開発環境の変化や抗がん剤開発のパラダイムシフトの追い風を受け、ひと昔前には不可能と考えられていた創薬バイオベンチャー企業自身による後期臨床開発の遂行も可能な環境が生まれつつあります。
これまで同様に提携パートナー獲得に向けた交渉を継続しつつ、これと並行して、開発の進展を支える適切な時期・規模の資金調達も引き続き検討していきます。
「創薬バイオベンチャーはわかりづらい」とよく言われます。
その「わかりづらさ」は、正確を期するとどうしても専門用語が多くなったり説明が長くなったりしやすい技術領域であることに加え、時間軸の違いに由来するものも多いと感じています。
研究開発の時間軸はただでさえ長く、特に、創薬産業ではその傾向が顕著です。一般社会の常識的な時間軸とズレが生じやすい面があると認識しています。
当社は、それらのズレを最小化するために、このウェブサイトなどを使った投資家リレーションを通じ当社の魅力や情報の開示を徹底しつつ、今後もスピード感を持って研究開発や事業開発に邁進し、製薬バリューチェーンに高い付加価値をもたらすことを目標としてまいります。
株式会社キャンバス 代表取締役 河邊拓己