マネジメントブログ

決算説明会後の質疑応答を今年も一挙公開します

本日、2022年6月期決算説明会(アナリスト・報道機関向け)をオンライン開催しました。
使用した資料はこちらでご覧いただけます。
動画(質疑応答は含まれていません)はこちらです。

※資料11ページの
「実⾏した取り組み
開発を進め企業価値を⾼めるための資⾦調達実施(2022年9⽉)」
は、2021年9月の誤りです。お詫びして訂正いたします。

ひととおりのプレゼンテーションのあと、ご参加の皆様との質疑応答がありました。
例年どおり、テキストで一挙公開します。

質疑応答

Q: オープンラベルなので各症例の情報がほぼリアルタイムで入っているとお聞きしている。
現時点でどのような感触を持っているか、もう一段掘り下げて伺いたい。

A: 公表している情報から外れない状況が続いています。
データが積み上がっていく中で、公表している状況や印象から違う「あれっ?」というようなことは起きていません。

Q: 安全性に関して懸念すべき事象は起きていないという理解で良いか。

A: はい。現時点では、副作用は予想よりも少ないほどです。悪いことはまったく起きていません。

Q: 過去のリリースで
「5⽉中旬までに組⼊れられた被験者のデータが出揃う8〜9⽉にはさらに詳細なご報告ができる」
と書かれているが、これは今回の決算説明会とは別に、CBP501臨床第2相試験の詳細なデータが会社から開示される機会があるという理解で良いか。

A: おっしゃっていただいた「詳細なデータ」 の開示については現状ではお約束できず保留しています。
というのは、臨床試験自体は継続中でもあるし、また、詳細なデータの公表には正式な中間解析も必要だからです。
ご質問いただいた
「5⽉中旬までに組⼊れられた被験者のデータが出揃う8〜9⽉にはさらに詳細なご報告ができる」
については、現時点では
「中間解析を待たずにキャンバスがその時点までの情報をもとに経営判断した内容、その他ご報告できることを公表する」
という内容を想定していて、これを遅くとも9月下旬の株主総会までに何らかの形で実現する考えです。

Q: 2022年6月期中には提携獲得には至らなかったということだが、今後出てくるデータを見てパートナーが判断できることによって提携獲得可能性が高まるということか。

A: はい。データが確定するのを待っている(悪く言えば、確定するまで判断しないというポジションの)交渉先もあります。

Q: 提携候補先へデータを開示し判断してもらえるようになるのは株主総会後になるということか。

A: いいえ。交渉先各社には、守秘義務契約下で、当社内で見ているのと同じ内容を開示しているため、ご質問のようなタイムラグは発生しません。

Q: 6月中旬に出されたいくつかのプレスリリースのあと2ヶ月ほど経過し、その後のデータも会社に入ってきているはずだが、新たな3M−PFSの続報がない。
フェーズ1b試験の結果を踏まえると現状「そこそこ」という感触なのか、「さらに数例でてもおかしくないのに」という感触なのか、そのあたりの印象を伺いたい。

A: 5月中旬くらいまでに組入れられた各群4〜6症例が投与開始から3ヶ月が経過しました。
公表済みのとおり、現在までに3剤併用投与群のひとつで2例の3M−PFSが確認されています。
4〜6例中2例ということは、33.3%〜50%です。
つまり、これまで公表できている範囲の情報でいうと、フェーズ1b試験でCBP501が発揮した
「3M−PFS 30〜35%」
という、データどおりか、それをやや上回るくらいの力を発揮していると認識しています。

そもそもの話として、一般に臨床試験の途中経過はみだりにああだこうだと公表するものではないとされる中で、当社は今回の臨床試験の重要性に鑑み、また今回の臨床試験特有の構造も踏まえ、投資家の皆様の投資判断に影響を及ぼす情報に限って、倫理的にも当局対応的にも許されるギリギリの線で情報を公表しています。
6月のいくつかの公表も、単純な臨床試験の途中経過ではなく、投資判断に影響を及ぼす情報だからおしらせしたものです。
ご指摘のとおり状況は進んでいますが、そのギリギリの線を突破するようなことが起きない限りは公表できないという考えです。

今回の試験の建て付けは、
「フェーズ1b試験で示された『3M−PFSが35%』というデータが真実であるということを確認する試験」
です。
細かく言うと、
「ステージ2までの比較的多数の試験をした場合に6/23(26%)が3M−PFSを示せばフェーズ1のデータが真実だろうと考えられる」
「その前にステージ1のたった9例で4/9(44%)が3M−PFSという途轍もなく良い数字が示されればステージ2を実施するまでもなく真実だろうと統計的に言える」
という2ステージのしくみになっています。

今後、ステージ1の最中にお知らせできる情報が生じるとすれば、そういった途轍もなく良い数字が示されるか、途轍もなく悪いかという場合です。
それらのどちらでもない中間の状態に関しては、じわじわと良くなっていてもじわじわと悪くなっていても。なかなか公表できないということになります。

Q: なるほど。つまり、さきほど示されたギリギリの線を突破する重要事項として今後開示できるのは「3剤併用投与群の早期有効中止」「2剤併用投与群の早期無効中止」といった情報であり、3M−PFSや奏効が出るたびに毎回毎回開示できるわけではないということか。

A: はい、そのとおりです。
ただ、たとえば2剤併用投与群のうち1群が早期無効中止になった場合、それだけでは今後の臨床試験の方針やスケジュールを決定づける情報ではないので、開示できる基準に満たないと判断し公表しないと思われます。