マネジメントブログ

CBP501臨床第2相試験をご理解いただくために(その4・成功確率の試算)

試験結果はやってみないとわからないし、試験結果にはバラつきもつきものです。
CBP501が第2相試験でどのくらいの力を発揮するか、事前にはわかりません。
C・D群の結果もどうなるか不確かですから、成功の確率を厳密に計算するのは困難です。

しかし、
「もしCBP501が前回同等の力を発揮すれば」
のような想定を置けば、CBP501臨床第2相試験の成功確率をある程度推定できます。

これまでの臨床試験で、CBP501を含む3剤併用が3ヶ月無増悪生存を示した比率は約35%でした。
とはいえ過去の試験は症例数が少ないので、これが「本来の実力通り」なのか、「まぐれ当たり」なのか、はたまた逆に「本当の実力はさらに上」なのか、本当のところはわかりません。

わからないけれど、
「もしCBP501を含む3剤併用がフェーズ1b試験と同等の力(3ヶ月無増悪生存比率約35%)を発揮したら」
と考えるのは、自然な想定方法でしょう。
野球シーズン最初の打席に入るとき、昨年3割打った選手であれば、観客は「ヒットの確率は3割くらいかな」と考えるものです。

その想定で試算した第2相試験の成功確率(金・銀・銅メダル合計)は、98%。
金メダルだけ抜き出すと、63%です。

しかし、過去の試験で発揮した薬効を発揮できないことは臨床試験ではよくある話です。
そこで、念のために、CBP501を含む3剤併用が3ヶ月無増悪生存を示した比率「35%」を「25%」にディスカウントして試算しておきます。

その場合、成功確率(金・銀・銅メダル合計)は78%。
金メダルの確率は30%です。

金・銀・銅メダルについては、前回のブログ「成功の種類」をご参照ください。

前提となる想定を切り落として
「成功確率は98%〜78%だ!」
と煽るつもりは全くありません。
繰り返しになりますが、「CBP501を含む3剤併用の3ヶ月無増悪生存比率は約35%」は、比較的少数の過去の臨床試験から得られた数字です。
その点に留意してお読みください。

もちろん私たち自身は、CBP501がフェーズ1b試験で示したのと同等かそれ以上の力を発揮すると期待しています。
試験ですから、どんなに机上で計算し期待していてもそれだけで意味はなく、実行してみることに価値があります。

昨年12月のFPI(最初の被験者登録)の意義は、まさにその実行が始まったことにあります。
結果を楽しみにしつつ、この試験を引き続き力強く推進していきます。

その5・主要評価項目「3ヶ月無増悪生存の比率」 に続きます)