CBP501臨床第2相試験が始まりました。
今月から、進捗状況の月次開示も始めています。
このブログ連載では、この臨床試験をご理解いただくための解説を進めていきます。
まず《狙い》について。
一般的に、臨床第2相試験は「承認申請への最終試験である第3相試験の設計を検討するための試験」です。
今回のCBP501臨床第2相試験も、それが狙いです。
第2相のあと(進む価値があると判断されれば)実施される第3相試験では、被験者を「候補薬を投与するグループ(投与群)」と「投与しないグループ(非投与群・対照群)」に分け、それらの結果の差によって候補薬の効果を証明します。
グループの構成や各グループの人数によって、第3相試験にかかる時間や費用はとても大きく変わります。
CBP501の投与は3剤併用です。
そのような多剤併用の場合には、多くの薬剤のどれが効果に寄与しているかはっきりしないまま第3相試験を始めようとすると、それを確認・証明するために、いろいろな組み合わせの投与群や対照群を多数作らねばならなくなります。
それには時間も費用もかかりますから、できれば投与群の数は少ないほうが良い。
また、投与群の数だけでなく、各群の症例数もよく検討して設定しなければなりません。
統計の一般的な常識どおり、症例数が多いほど失敗なく差を証明しやすいのですが、その一方で、もちろん時間や費用の制約もあります。
つまり、ひらたく言うと、
「候補薬の効果を証明できる限り少人数で済ませたいが、差が小さかったときには証明できず失敗してしまう」
「大人数の試験のほうが失敗しづらいが、そのぶん時間も費用もかかる」
これらの綱引きで、第3相試験の症例数を決めることになります。
そういった判断のために、できる限り
「第3相試験で証明するべきことをあらかじめ少なくしておく」こと、
「どのくらいの規模の試験で差を証明できるか、手応えを確認しておく」ことが重要になります。
そのための試験が、第2相試験です。
CBP501第2相試験は、次に実施する第3相試験をできるだけシンプル・小規模にするために、必要な情報を得るのが狙いです。
第3相試験がシンプル・小規模であることは、後期開発のリスクを低減します。
したがって、現在鋭意続けている製薬企業等との提携を獲得するためにも有効なのです。
(その2・獲得したい結果 に続きます)
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