マネジメントブログ

定時株主総会・株主報告会での質疑応答

去る9月28日の第22期定時株主総会と株主報告会に多数の株主の皆様のご来場をいただき、誠にありがとうございました。
また、ハガキやオンラインで議決権を行使していただいた株主の皆様にも御礼申し上げます。

おかげさまをもちまして、第1号議案の定款変更、第2号議案の取締役4名(うち日比野は新任)選任、いずれも原案どおり承認可決されました。
どちらの議案にも少なくない反対票があったことを含め、株主の皆様の総意を心に留め、引き続き役職員一丸となって企業価値向上に努めてまいります。

株主総会でのご質問はありませんでした。
その後に開催した株主報告会(投影した資料はこちらです)でいただいたご質問と回答を、このブログでお知らせします。

Q: 報告をしっかり聴くとせっかく良い内容なのに、アピールが足りないのではないか。特に、当社のようなベンチャーへの理解が深いと考えられる海外投資家へのIRなどは試みているか。

A: さまざまなルートや方法でのアピールを試みています。
ご指摘いただいた海外投資家についても、実際にお会いしているものもあるし、国内機関投資家との話の中でも常々「機会があればぜひ」と言って回っています。
とはいえ、国内外の機関投資家からみて当社の時価総額や流動性は手が出しづらく、卵と鶏のような関係になっているのも事実です。
状況の打開に向けて今後も動きます。

Q: 提携獲得に向けて交渉を続けられているが、その途中段階でネックとなっているのは何なのか。

A: まず入り口では、製薬企業等のリスク回避傾向というハードルがあります。
ここ十数年の大規模臨床試験失敗の積み上がりで、「絶対に失敗しないと思える後期開発〜承認直前のプロジェクト」や「もし失敗してもPR効果などで元の取れる新モダリティなど流行りの領域」にしか眼の向いていない製薬企業等が大半になっています。
そのハードルをなんとか乗り越えたあとも、成功確率の認識の違いなどからプロジェクト価値が共有できないことが少なくありません。
また、CBP501の作用機序に登場するカルモジュリンは昔さんざん試みられて薬の出来なかった経緯があり、古い情報のままアップデートされていない製薬企業の経営レベルが拒絶的な反応をすることもあります。
売り惜しみするわけでは全くありませんが、価値を共有できない状態での不適切な条件の提携は、当社の株主価値の毀損であり、避けるべきと考えています。

Q: 臨床開発段階以前のプロジェクトとして、CBP-A08・感受性予測・NEXTプロジェクトなどが挙げられているが、今後それらが臨床開発段階など次のステップに上がってくるスケジュール感はどうか。

A: 報告会の資料でお示ししたとおり、CBP-A08かNEXTプロジェクトをなんとか2023年中に次のステップに進めたいと考えています。

未だ基礎研究なので試行錯誤や行ったり来たりがありますから具体的な時期のお約束はできませんが、特にNEXTプロジェクトは免疫を利用した癌の根治を狙えると考えているプロジェクトで、是非前に進めたいと考えています。

Q: そうした基礎研究費用は「運転資金」として調達されているが、具体的なプロジェクトが動くことで基礎研究の資金が不足することはないのか。

A: 基礎研究費用は、開発段階に移行する前臨床試験に至るまでは大きく変化しません。
お示しした資料のとおり、過去も、たとえば基礎研究を特に盛んに実施した2014〜15年頃にも、毎年ほぼ一定水準で推移しています。

今期以降も、基礎研究費用は過去とほぼ同じ水準を想定しています。

Q: CBS9106に関する情報が昨年から途絶えており頻度の減少が気になっている。次に株主に報告されるのはどういうイベントか。

A: 提携先StemlineがMenarini(非上場会社)に買収され非上場化したことで、プレスリリースや学会発表の機会が減っているのは事実です。
臨床試験自体は良好な成果を挙げつつあるので、次の第2相以降の臨床試験の開始についての発表があると考えています。
こうした情報の途絶や開発推進の主導権を失ってしまうのは提携のネガティブ面であり(CBS9106については比較的それが軽微ですが)、今後のCBP501提携でも留意しなければならないと考えています。