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CBP501臨床第2相試験をご理解いただくために(その2・獲得したい結果)

前回は、CBP501第2相試験が「次に実施する承認申請のための第3相試験をできるだけシンプルで小規模なものにするために、必要な情報を獲得する」ことを狙いとしているとご説明しました。
今回は、「狙いどおりの試験となるためにどんな結果になれば良いのか」という切り口から。

この試験が狙いどおりとなるために、獲得したい結果は次の2つです。

  1. CBP501の薬効が否定されず、第3相に進む価値があると判断できる結果。
    この判断のために、「3ヶ月無増悪生存比率」を主要評価項目としています。
    その背景については、長くなるので少々後回しにします。
  2. 「CBP501+シスプラチン+ニボルマブの3剤併用」以外の2剤併用群に、これ以上の試験が必要ないと判断できる結果。
    前回ご説明したように、併用する薬剤のどれが効果に寄与しているかはっきりさせておかないと、第3相試験でいろいろな組み合わせの投与群や対照群を多数作らねばならなくなります。
    これが第2相試験で確認できていれば、第3相試験を「3剤併用投与群」と「対照群(医師の自由選択)」の2群によるシンプルなものにできます。
    FDAと事前ディスカッションした主要なポイントのひとつです。

これらの情報を獲得するために、今回の試験は設計されています。

3剤の投与の組み合わせは全部で7通り(単剤3通り、2剤併用3通り、3剤併用1通り)あります。
それらのうち、単剤の3通りと「CBP501+ニボルマブ」2剤併用は、3剤併用ほどの効果が期待できないと既にわかっているなどで不要と判断できることから、試験しません。

これら4つのパターンを外すのも、事前にFDAとよく議論した結果です。

また、FDAとの事前討議で、CBP501の投与量について「推奨投与量25mg/㎡より少ない投与量の試験を」との指摘があり、B群16mg/㎡を新たに設定しました。
過去のデータと薬効メカニズムから当社では16mg/㎡でもほぼ同等の薬効が期待できると考えており、投与群が2つあるのは3剤併用の成功確率アップに好都合でもあります。

こうして、臨床第2相試験の投与4群が決まりました。

A群:CBP501(25mg/㎡)3剤併用
B群:CBP501(16mg/㎡)3剤併用
C群:CBP501+シスプラチン
D群:シスプラチン+ニボルマブ

これらがどんな結果を出せば「第2相試験成功」なのか。
次回は、CBP501臨床第2相試験「成功」の種類を解説します。

その3・成功の種類 に続きます)