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決算の予測可能性とIR(第3四半期決算短信を公表しました)

本日、第3四半期決算短信を公表しました。
3月決算会社の本決算発表の多い時期なので埋もれてしまいそうですが。

ひとことで申し上げて、今回の四半期決算短信に新しい見どころはありません。
既に公表している情報を適切に組み合わせるだけで、今日公表した四半期決算は外部のどなたにでも概ね(せいぜいちょっとした誤差の範囲内で)予測可能な内容だったと思います。

また、決算短信の読み方や「赤字」の捉え方については、過去のブログでかなり繰り返して書いてしまっています。
読まれる方も「またか」と思われるでしょうし、書く方もしんどいところです。

そこで今回は、その「予測可能」とインベスター・リレーションズ(IR)について。

これはあくまで私見で、他の会社さんにすべて当てはまるとは全く思っておらず自分の戒めにしているだけなのですが、決算短信の公表で投資家の投資判断が大きく変動する(いわゆる「サプライズ」が起きる)としたら、それはひとえに日々の開示の透明性やIRのわかりやすさの不足のせいだと考えています。

決算(見込み)数値をはじめとする「投資判断に重要な影響を及ぼす事項」に基準値以上の変動があれば、キャンバスは決算発表日を待たず(仮に決算発表予定日の1日前であっても)適時に開示します。
それが企業価値に及ぼす影響についても、できる限りわかりやすく適時にお伝えしていきます。
そうしていれば、決算内容の予測可能性は高まり、決算発表での「サプライズ」は起きないはずです。
これからも、この姿勢は一貫するつもりです。

数値以外の定性的情報の部分については、基本的に四半期末(3月末)に遡って記載するものなので、そもそも「サプライズ」は起きようがありません。

現在投資家の皆さまからご注目いただいているのが
「CBP501フェーズ1b拡大相の進捗」
であることは重々承知しています。
しかし、決算短信はその最新情報の報告の場ではないと認識しています。

では、臨床試験の進捗はどのように報告するのか。
これについては先日、ツイッター公式アカウントから下記のようにお伝えしています。

上記の「中間とりまとめ」を実施するまでの間、ひとつひとつの症例についてお知らせすることは基本的にありません。
「基本的に」というのは
「良い話だろうが悪い話だろうが、それ一つで話全体がひっくり返るほどのことがない限り」
くらいの意味です。
一般に臨床試験は悪い話のほうが先に出ますから、何も公表がないことを
「便りのないのは良い便り」
と思っていただけると幸いです。

被験者組み入れの順調な(とキャンバスは認識しています)進捗についても、去る2月20日の決算説明会質疑応答でお答えした下記の内容と変わっていません。

Q. CBP501フェーズ1b拡大相試験について。2019年1月から投与開始して来年度前半中(2019年12月まで)組み入れ完了の予定と認識しているが、このスケジュールは変わっていないか。また、その後の投与期間を考えると、臨床データの獲得はさらに遅くなるのか。

A.(加登住)来年度前半(引用注:2020年6月期の前半、すなわち2019年12月まで)に組み入れを終えようという計画は基本的には変わっていない。資金面の不確定要因はあるが、私見ではあるが既発行の転換社債や新株予約権による調達でカバーできそうだと考えている。また、提携等による資金獲得活動も引き続き最優先で進めたい。
(河邊)組み入れ後の最長投与期間は6ヶ月程度。実際には、良い兆候がある場合には投与開始から2-3ヶ月で見えてくるので、提携交渉等に使う臨床データは早めに獲得できる。
なお、組み入れペースについて追加情報がある。当初、組み入れに際してバイオプシーで組織を2回採取することから、患者さんのインフォームドコンセントが取りづらくペースが遅延するかもしれないと懸念していた。しかし、実際に始めてみると組み入れのペースは(用量漸増相ほどのスピードではないが)思いのほか落ちていない。組織採取への同意がハードルになっていない。

上記の「資金面の不確定要因」が既に解消したのは、2019年4月23日の適時開示で公表したとおりです。