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今日の決算短信と適時開示、それらにまつわるいくつかの話題

2017年08月10日 15:20

加登住 眞

本日、「平成29年6月期決算短信」「特別損失(減損損失)の計上に関するお知らせ」を公表しました。
毎回のとおり、これらについての解説をこちらのブログで発信します。

今回、せっかくの機会なので、これらに関連する話題を並べてみました。
結果としてかなり長くなってしまいました…。

2017年6月期決算短信

まず、決算短信のご説明です。
2017年6月期の事業収益は109百万円で、2017年1月4日に修正を公表した通期業績予想数値110百万円に対し0.1%未達となりました。
これまで同様に、事業収益はすべてStemline社からの技術アドバイザリーフィーです。
この状況を打開するべく新規提携獲得活動を幅広く展開しており、その活動の一端が(事業収益への寄与はありませんでしたが)富士フイルムとの共同研究契約締結に繋がりました。
今後、事業収益に寄与する提携の獲得に向けて、CBP501、CBS9106(日本・中国・台湾・韓国)、さらにCBP-A08やIDO/TDO阻害剤など次世代化合物についても、提携魅力向上に努めていきます。

同じ通期業績予想数値(2017年1月4日修正後)との比較では、営業損失は予想よりも14.5%、経常損失は14.0%、当期純損失は10.2%、それぞれ圧縮されました。
営業損失・経常損失圧縮の主な要因は、現時点で準備の最終段階に差し掛かっているCBP501臨床試験(フェーズ1b試験)の準備に関する費用計上について、最も早く発生する場合に備えた予算の一部が次期(2018年6月期)に移動したことです。
これらに比べて、当期純損失の圧縮幅はやや下回っています。固定資産の減損による損失17百万円を特別損失として計上したためです。
減損については後でもう少し詳しくご説明します。

「継続企業の前提に関する重要事象等」の記載(※注:いわゆる「GC注記」とは異なります)は、今回も継続されます。
このウェブサイトのFAQ

当社は研究開発段階のベンチャー企業であり、研究開発支出が先行することから、現時点では営業損失や営業キャッシュフローのマイナスが生じることは回避しづらく、この「重要事象」の記載は継続しています。

とご説明しているとおりです。

今回、「当期の研究開発の概況」の記載を大幅に変更しました。
これまで掲載していたCBP501・CBS9106に加え、CBP-A、CBP-B、IDO/TDO阻害剤といった次世代パイプラインについても進捗状況の開示を始めています。
このうちCBP-Aに関しては、2017年6月30日公表『コミットメントの達成進捗状況について』でお知らせしたとおり、in vivo(マウス)でCBP501を抗腫瘍活性において上回る次世代候補化合物CBP-A08を獲得することができました。
財務面等の制約を勘案しつつできるだけ早い時期に、CBP-A08前臨床試験開始のための化合物大量合成を発注する計画で、それ以降はこの表での表示が「CBP-A08」に変わる予定です。

キャッシュ・フロー計算書でご覧いただけるとおり、2017年6月期においてキャンバスは、2015年発行の新株予約権の行使によって新たに380百万円余りを調達しました。
資本市場から調達させていただいた資金を効率よく効果的に研究開発を中心とした事業活動に活用することが、当社経営陣の使命と考えています。

サマリー情報(冒頭のページ)の「業績見通し」では、2018年7月期中に進行する臨床試験(フェーズ1b試験)の費用を見込んでいます。
まずはこの臨床試験を進めて良好な結果を得ること(得られる保証はありませんが、得られるであろうと考えています)、それをもとに事業収益に寄与する提携獲得を図ること。
そして、CBS9106の日中台韓地域にかかる提携を獲得すること。
さらに、CBP-A08をはじめとする次世代パイプラインの研究と開発を確実に前進させること。
これらに邁進していきます。

引き続きよろしくご指導のほどお願いいたします。

特別損失(減損損失)の計上に関するお知らせ

キャンバスでは今回、固定資産(建物・建物付属設備・工具器具備品・ソフトウェア)について、期末帳簿価額(17百万円)の全額を減損処理しました。
これにより特別損失が発生したため、別途適時開示を実施したものです。

この「減損」について、ここでは会計の複雑な話を思い切り単純化してご説明します。

会社が固定資産の取得(設備投資)をするとき、その投資によって将来発生するキャッシュ・フローでその投資額を回収できるかどうかを判断します。
その回収見込みがある限り、保有している固定資産には価値があります。
裏返すと、営業キャッシュ・フローのマイナスが続くなど回収見込みに疑念を生じさせるような状態(「減損の兆候」といいます)においては、
「会社の保有している固定資産の価値は本当にその帳簿価額どおりなのか?」
と検討し直す必要があります。

この「減損の兆候」については、経営者の持っている将来の回収見込みだけで主観的に判断するのではなく、会社の財務状態が計算書類の記載内容に適正に表示されているかどうかを客観的に確認する会計監査人(監査法人・公認会計士)らとの意見交換を踏まえ、総合的に検討します。

「回収見込み」を客観的に判断する眼は、このご時世(詳しくは書きませんがお察しください)もあって、どんどんシビアになっています。
営業利益や営業キャッシュ・フローのマイナスが続いているキャンバスの状況と併せ検討した結果、長期的には依然として回収見込みがあると考えられるものの、その実現に不確実性が伴うこともまた否定できないことから、会計監査人とも十分に話し合い、今回の決算で既有固定資産の全額減損を実施して計算書類を保守的な表示とすることにしたものです。

減損処理はこのようなケースのほか、「事業計画が変わって回収見込みが低下した」「市場環境や技術的環境が大幅に変わって回収見込みが低下した」「資産の市場価格が大幅に下落した」といった「減損の兆候」が見られた場合にも実施されることがありますが、今回のキャンバスの減損処理はこれらによるものではありません。

「減損処理」「特別損失」という字面で過剰にご心配をおかけしてしまってはいけないので、このブログで追加ご説明をした次第です。

決算短信開示の自由度向上とキャンバスの対応

ところで、「決算短信」という開示書類は、東京証券取引所の定める『決算短信作成要領』に基づいて作成されています。

今般、開示の自由度を高めるとともに速報としての役割に特化するため、この「作成要領」の見直しが実施されました。
この見直しでは、これまで義務付けられていた「様式」の位置づけが大きく変化しました。
変化が明確に現れているのはこの部分です。

【改正前】
決算短信(サマリー情報)は、所定の「決算短信(サマリー情報)」の様式及び記載上の注意事項にしたがって作成、開示してください。
(東京証券取引所『決算短信・四半期決算短信作成要領等(2015年3月)』 )

【改正後】
東証では、決算短信(サマリー情報)について、決算短信(サマリー情報)の参考様式及び記載上の注意事項に基づいて作成、開示することを要請しています。
(東京証券取引所『決算短信・四半期決算短信作成要領等(2017年2月)』 )

つまり、様式は義務ではなく、あくまで「参考」として要請されるものとなったわけです。

この改正によって、決算短信作成の自由度は格段に上がり、思い切った簡素化に踏み切る会社もいくつかありました。
しかし一方で、「自由度向上で誰が得をしているのか?」「現場は混乱するばかり」といった疑問の声も挙がっています。
日本経済新聞のこのような記事も記憶に新しいところです。

東京証券取引所のサイトには、今回の自由度向上に関して実施されたパブリックコメントの結果が『決算短信等に関する投資者等の意見集』として取りまとめられ掲載されています。
このうち『個人』のご意見をまとめたファイルを見ると、個人投資家の方々・証券会社等勤務の個人の方々はいずれも、どちらかというと従来の形式の継続を希望しておられるようです。
キャンバスの株主の多くは個人投資家の方々であり、この傾向は軽視できません。

検討の結果、キャンバスの短信においてはこの傾向を重視し、「サマリー情報」(決算短信の冒頭2枚)についてはこれまでと形式を変えないことにしました。
業績見通しも、これまでどおりの形式で公表しています。
「添付資料」(決算短信の3枚目以降)は、多少章立てなどを変え、内容の充実とわかりやすさの向上を図っています。

今後、さまざまな会社がそれぞれの工夫をし始めると思われます。
キャンバスでは今後その状況を注視し、よりわかりやすく誤解なく決算内容をお伝えできる形式がこなれて来た際には順次表示を切り替えていく予定です。

✽ ✽ ✽

ところで、せっかく様式の自由度が高まったのですから、そろそろ「平成○○年」の表示をすべて西暦に切り替えられないかなと考えています。

世の中全般で西暦表記が中心になっています。
今では新聞でも単に「17年」と書かれていたら「平成17年」ではなく「2017年」のことだし、さきほどのリンク先の東京証券取引所の資料すらも、表紙からいきなり「2017年2月版」と西暦表記になっています。
そんな中、決算短信や有価証券報告書など一部の書類だけはいまだに元号表記が必要で、その換算と書き換えの手間やエラー発生のリスクを考えると、そろそろ全部の書類の表示を西暦に統一したいところです。
開示書類をご覧になる皆様もおそらく、西暦で統一されていたほうが便利ではないでしょうか。

ただ、今回の自由度向上でもこの点についてはまったく議論されておらず、システム上も制約が大きいため、キャンバスだけで解消できる課題ではありません。
関係省庁・関係者の皆様、このインターネットの片隅に当ブログをもし見つけていただけましたら、善処ご検討のほどお願いいたします。

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