10月20日から23日にかけて、米国ボストンで開催された Tumor Immunology and Immunotherapy (癌免疫および免疫治療)というAACR主催の学会に参加しました。
いま、帰国する飛行機を待つ空港でこのブログを書いています。
キャンバスの研究員は、CBP501に見つかった新しい側面(つまり作用)である、癌の免疫原性細胞死の促進(つまり癌細胞を抗癌免疫が起きやすい形の死に導くということ)、そして、それによる免疫チェックポイント抗体のマウス腫瘍に対する効果の増強、癌局所で癌と闘うT細胞の増加、同じく癌局所で免疫を押さえているマクロファージの減少が見られたことを報告しました。
(こちらの適時開示もご参照ください。)
この学会は、最近急激に脚光を浴びるようになった免疫による癌治療領域の進歩が速いことに対応するべく、その情報のいちはやい共有と研究者間のさらなるシナジーを生み出すために始められた学会です。
今回は約800名が参加していました。
そこで発表された膨大な最新情報を含む研究に、私は圧倒されました。
私自身、かつて免疫に関わる研究をしていた(そして今再び関わっている)者としてそこそこ基礎的かつ新しい知識を身につけているつもりでしたが、まるで、自分が発展途上国の人間で、初めて触れる先進国の文明に圧倒されているかのような錯覚に襲われました。
以前にも使った表現ですが、「絨毯爆撃的」「圧倒的物量」という言葉がぴったりの研究内容を「見せつけられた」感じです。
とはいえ、学会が終了して少し冷静になってみれば、今回の膨大な発表から読み取れるのは、直近実現可能なこととしては、現在脚光を浴びている免疫チェックポイント抗体が作用しない多くの患者さんに対して「いかに癌の免疫原性を高めるか」「いかに免疫抑制的癌微小環境を改善するか」ということでした。
私たちが最近になって見出したCBP501の作用「免疫原性細胞死の促進」「免疫抑制的M2タイプマクロファージの抑制」は、まさにそのど真ん中です。
これを患者さんに届けない手はない! との思いを強くしました。
そして、私たちの科学顧問会議メンバーの意見も全く同じ。
「CBP501の開発を情熱を持って前に進める」でした。
キャンバス創設以来何度もあったことですが、今回も相変わらず、米国で希望とエネルギーをもらった出張でした。
私たちは、前に進みます。
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