マネジメントブログ

私たちは初心を忘れません

おかげさまでキャンバスは本日、東京証券取引所マザーズ市場上場からちょうど10年を迎えました。
これまでに株主・投資家の皆様をはじめとする皆様から賜りましたご懇情に、厚く御礼申し上げます。

古いハードディスクから珍しい画像を引っ張り出してみました。
10年前の今日、日本経済新聞朝刊に掲載した新規上場広告です。

ご覧のとおり、真ん中に大きく
「医薬品開発にはリスクが伴います」
と記しています。

最近はあまり見なくなりましたが、当時は新規上場の日に日経新聞へご挨拶の広告を出すのが慣習になっていました。
その広告でいきなりリスクの話をする会社はキャンバスが初めてだったようです。
各方面から
「こういうときは右肩上がりのおめでたいことを言っておくものだ」
とお叱りを受けたり笑われたりしたのを、よく覚えています。

ですが、私たちは、キャンバスの事業がリスクの塊であることを認識していました。
(まさか翌年に提携解消の形で顕在化するとはそのときはわかりませんでしたが…)
しかしそのリスクはあまり一般的にわかりやすいものではなく、説明も難しいものです。

上場して一般投資家の皆様に株式を保有していただく以上、その説明を真摯に続けていかねばならない。
そして、どんなに時間がかかろうと、リスクに見合ったリターンを実現しなければならない。
その覚悟を持って、私たちは10年前の今日を迎えました。
耳に心地良い話の2倍の分量でリスクの話を書いたのは、その思いの現れです。

私たちの思いは現在も変わりません。
事業にかかるリスクは、事業の成長性の魅力の何倍もの力を割いてお伝えしていかねばならないと考えています。
その説明を果たすお約束のもとで、私たちはリスクに果敢に挑戦する場をいただいています。

キャンバスはこれからも、フェアな説明責任を果たしつつ、リスクを恐れず、科学的・倫理的・経済的に正しい道を最短の距離と時間で邁進していきます。
企業理念よりもずっと深いところにある私たちの思い「癌を治したい」を、少しでも早く実現するために。

これからも、これまで10年と同様に、良いことも悪いこともたくさん起きると思います。
引き続きよろしくご指導ご鞭撻のほど、心よりお願い申し上げます。