マネジメントブログ

2017年を振り返ります

さきほど大納会で、株式市場の2017年が終わりました。
キャンバスは会社としては昨日が仕事納めで、今日は必要な者のみが出社して問い合わせ対応に備えつつ、残務や年初早々の仕事の準備をしていました。
電話は1-2本鳴りましたが、日常の連絡に使っているSlackや電子メールはほとんど動かず、来訪客もなく、静かな1日でした。
今日のブログ(今月は結局これ1本になってしまいました)では、キャンバスの2017年を振り返ります。

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キャンバスの2017年は、2016年8月の決算説明会9月の株主報告会で宣言したコミットメント
「CBP501臨床試験開始」
「後続パイプラインの開発候補化合物確定」
の確実な達成とその後の進捗に向けて一丸となった1年でした。

1月、日本証券新聞主催の「新春特別バイオベンチャーIRセミナー」に登壇させていただき、当面の課題として上記ふたつのコミットメントを広く宣言しました。

そのころ舞台裏では、CBP501臨床試験開始に向けて臨床開発チームが山ほどの業務をこなしていました。

臨床試験の開始前はただでさえ業務量が猛烈に増大するのに、今回は確実に臨床試験を開始するために日本と米国の両睨みで準備を進めていたからです。
それぞれの当局への申請はもちろん別々です。想定されるプロトコルも異なるし、予算も変わりますから管理部門とのコミュニケーションも欠かせません。
社内の空気が、ふだん以上に張り詰めていました。

その後FDAへのIND申請は済ませたものの、そこでは未だ安心できません。
4月に米国FDAから臨床試験開始が承認されたことを確認しても、その緊張が緩むことはありませんでした。
実際に臨床試験を始めるまでには、CROや臨床試験実施施設との大量のコミュニケーションが欠かせません。
8月の実施施設オープンを経て、10月にFPI(最初の症例への投与開始)を実現して、ようやくほんの少しだけ緊張が緩みました。
現在、臨床開発チームは、ようやく始まったフェーズ1b試験を少しでも円滑かつ迅速に進めるために、相変わらず大量の業務を少人数でテキパキとこなしています。

あまり「便りの無いのは良い便り」ばかりでもいけませんし、フェーズ1b試験が順調に進捗しつつこの年末を迎えていることは改めてこの場でご報告しておきます。
現在は、ClinicalTrials.govに掲載されているとおり、
HonorHealth(Scottsdale, Arizona)
Ochsner Clinic Foundation(New Orleans, Louisiana)
Dana Faber Cancer Institute(Boston, Massachusetts)
の3つの臨床試験実施施設がオープンしています。

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ふたつめのコミットメントに関係する基礎研究チームも、この1年で重要な進捗をいくつも達成しました。

後続パイプライン(CBP-Aシリーズ、CBP-Bシリーズ、IDO/TDO阻害剤)の最適化を進め、CBP-A08を開発候補化合物として確定できたことは、今年の最大の成果のひとつです。

事業展開への寄与としては、これまで積み上げてきたCBP501作用メカニズム検証の成果を明らかにし、これを示す論文が6月7月9月に相次いで論文誌に掲載されたことも、大変大きな成果でした。

ペプチドを用いた抗癌剤の創薬研究・開発に対するキャンバスの知見・ノウハウの積み上げは今年、別の形でも成果として現れました。
富士フイルム株式会社との共同研究が始まったのは、この内容が同社から評価されたものです。
その後、この共同研究はおかげさまで円滑に進行しています。

もちろん、このほかの共同研究(東京大学医学部附属病院、静岡ファルマバレープロジェクトなど)も、順調に継続しています。

なかなか見えにくい業務ではありますが、基礎研究チームはこのようにキャンバスの成功確率(この言葉については3月のブログ記事『研究開発の「成功確率」と「失敗確率」』をご参照ください)を上げていく地道な努力を絶えずコツコツと続けています。

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お知らせがあります。
キャンバスはこのたび、経済産業省から、地域経済牽引事業の担い手の候補となる地域の中核企業として「地域未来牽引企業」のひとつに選定されました。
経済産業省『「地域未来牽引企業」を選定しました』
選定理由としていただいたとおり、キャンバスは今後も高い付加価値を創出していきます。

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2018年は、
・臨床試験(CBP501、CBS9106/SL-801)
・提携獲得活動(CBP501、CBS9106日中台韓、CBP-A08など後続パイプライン)
・共同研究
を着実に進めていく年です。
来年もキャンバスは、全力で邁進していきます。

今年も、このブログでさまざまな話題をお読みいただきありがとうございました。
皆様にとって2018年が素晴らしい年となりますようお祈りいたします。