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キャンバスと「ペプチド」

2018年01月11日 16:30

河邊 拓己

少し遅くなりましたが、新年のご挨拶を申し上げます。
本年もよろしくお引き立ての程お願いいたします。

さて、来月27日から3月1日まで京都で開催されるAsiaTIDESで、28日午後にCBP501開発の現状を講演することになりました。

TIDESは、ペプチド(peptide)とオリゴヌクレオチド(oligonucleotide)を用いた創薬研究開発者のための世界最大の情報交換の場です。
米国で行われるTIDES、ヨーロッパのEuroTIDES、そして、アジアで行われるAsiaTIDESがあります。
CBP501については、2009年2月に京都で行われたAsiaTIDESで基調講演をさせていただいたのを皮切りに、2011年5月にボストンのTIDES、さらに2016年2月には再び京都のAsiaTIDESでCBP501の開発状況に関する講演をさせていただいています。

今回の講演では主に、新しく見つかった作用について話すことになります。
現在進めているフェーズ1b臨床試験の内容については、あまりにも時期尚早なので。

ところで、ご存じのとおりキャンバスの創薬の柱は、CBP501というペプチドです。
現在非臨床段階にある2つのプロジェクトCBP-A08やCBP-Bシリーズも、ペプチドです。
さらに、昨年始まった富士フイルムとの共同研究も、一つの大きな柱はペプチドです。

私はもともと「進行癌を治したい」と思ってきました(今も変わりありません)。
癌を治せるのだったら、低分子でも放射線でも近赤外線でも漢方薬でもマッサージでもお祈りでも、なんでも良いと思っていました。
とはいえ現実には、基礎研究をして科学的に進んでゆくのが最も確実だと考えて、現在の道に進みました。

基礎研究を続けるうちに、癌細胞が出来上がる近道として、正常細胞にある細胞周期のG1期チェックポイントを壊すことが頻繁に行われていて、結果として癌細胞の多くではDNA損傷に対する細胞の2つの大きな防御機構のうちの1つ(G1期チェックポイント)が失われていること、そして、G1期チェックポイントの失われた癌細胞では、もう1つの防御機構であるG2期チェックポイントの役割が大きくなっているため、そこを破壊すれば良いという理論にたどり着きました。
その目的で最初に設計した抗癌剤候補のプロトタイプが、1998年に設計したTAT-S216Aというペプチドでした。

そこから、ペプチドについては高校生ぐらいの知識しかなかった私たちが、ペプチド専門家のアドバイスをいただきながら自分たちでこのペプチドの最適化を行い、2002年頃にたどり着いたのがCBP501です。

その後、CBP501を超えるものを生み出そうと、さまざまな改良を試みました。
国内だけでなく、海外の専門家と共同作業もしましたし、もちろん自分たちで勉強もしました。
そしていつの間にか、CBP501に似たペプチドに関するずいぶんたくさんの知見(失敗)が蓄積しました。

これらの知見(失敗の山)をベースに(トーマスエジソンの有名な言葉「1000の失敗をしたのではなく、1000のステップを経たのだ」みたいに)、昨年CBP-A08が生まれ、現在も、CBP-Bシリーズの改良(失敗の蓄積?)が続いています。
また、昨年からは、優秀な富士フイルムの研究者のみなさんとの接触によって、私たちがこれまで気がつかなかった新しい発想が生まれるかもしれないとワクワクもしています。

TIDESは、これまでお世話になったペプチド関係の人々に再会してお話を伺ったり、ペプチドに関する最新知見をまとめて吸収できる場でもあります。
これからもたくさんの知見を蓄積していくために、この機会を活かして勉強してきます。

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