マネジメントブログ

インターネット掲示板に思うこと

同じインターネット空間にありながらあたかも存在しないかのように振る舞い続けるのも不自然なので、一度くらいはこのブログで、インターネット掲示板のことを書いてみることにします。

インターネット上の掲示板では、キャンバスに関する投資意見(「安い」「高い」「騰がる」「下がる」「売りだ」「買いだ」など)や、キャンバスの開示情報の解釈などが日々飛び交っています。

投資意見については、基本的に見ていません。
ただ、キャンバスの開示情報の解釈などについては、ひととおり見ざるを得ません。
万一とんでもない風評や風説を流されていてはいけませんから。
四六時中というわけではないにせよ、それなりの頻度でチェックしています。

運良くキャンバスは、今までのところ、とんでもない風評や風説が流れたことはありません。

「おっ、この人は詳しいな」「よく勉強しておられる」「よく読んでいただけていて嬉しいな」と思わされることがときどきあり、キャンバスからの発信が上手く届いている事実に励まされます。

ただ、多くの投稿は、あまり正確でありません。
「キャンバスの発表内容を離れて想像の翼を拡げておられるなあ」とか、
「この人は製薬業界ご経験者のようだけどところどころ間違って覚えた先入観をお持ちなのかな」とか、
「それは開示資料やFAQに書いてあるからちゃんと読んで欲しいなあ」とか、
「ひょっとしてこの人は理解しているのにわざと事実と異なることを書いているのかな?」とか、
「この人は単にキャンバスが嫌いなだけかな?」とか、
さまざまな感想が脳裏をよぎります。

故意に歪めて書かれてしまうのは対処のしようがありません。
ポジショントークもあるのでしょうし、そういった虚実含めて書かれるのが掲示板というものでしょうから、割り切らざるを得ません。

ただ、キャンバスからの開示情報に誤読の余地があったせいで誤った理解になってしまっているのを見つけることもときどきあり、これは本当に申し訳ない気持ちになります。
そういうときは、投資家リレーションの改善に繋がるヒントをいただいたと考え、次の機会から言葉の選び方や言い回しを工夫するようにしています。
キャンバスの開示情報を継続的にお読みいただいている方は、同じ内容を説明する文章なのに表現が変わるケースが少なからずあると気づいておられるかもしれません。

ときおり、掲示板から派生して電子メールや電話での直接お問い合わせがあり、その回答がふたたび掲示板に戻っていくこともあります。

最近では、東京大学医学部附属病院との共同研究契約の発表について
「共同研究と発表されているが、実質は業務委託なのではないか(要約)」
というお問い合わせメールがありました。
よくそのようなことが書き込まれる某掲示板を覗きに行くと、
「大学との共同研究とは名ばかりで実態は業務委託というのはよくある話で、これもきっとそうだろう(要約)」
とする投稿があり、それを受けての(別の投稿者からの)お問い合わせでした。

「共同研究契約」と「業務委託契約」では意味合いがかなり異なりますから、これらを混同させかねない開示をもしキャンバスがしていたとしたら情報開示として不適切です。
キャンバスが開示した文書や私の前回のブログ投稿にそれらを混同させるような記載がないことを確認した上で、
「そのような不適切な情報開示を行う会社と思われているのであれば心外です(要約)」
としっかりお返事しました。

どんなに頑張っても、正確でわかりやすい情報開示は難しいです。
ただ、より正確であろうとし続けていることだけは、これまでの開示やこのブログを通じてご理解いただき始めているのではないかと思っています。
そんな中、最初から誤解させるつもりで言葉を選んだかのように言われたのは、正直なところ少し凹みました。

むろん、こちら(や、当社を含む「業界」側)の努力が足りないせいもあるので(むしろそちらのほうが大きな要因でしょう)、そうした投稿を非難する気には一切なりません。
これからも引き続き、できるかぎり正確でわかりやすい開示を心掛け、さらなる改善を図っていく原動力にしたいと思います。

冒頭に書いたとおり、今回はたまたま「一度くらいは掲示板のことも採りあげよう」というつもりで書いています。
シリーズ化するつもりは今のところ一切ありませんので念のため。
また、この投稿をお読みになって掲示板にキャンバスへのご質問やご要望・ご意見をお書きになっても、個別の対応はいたしません。
個別のご回答を期待されるご質問やご要望・ご意見は、お問い合わせフォームからお願いいたします。

最後にもうひとつ。

メールでのお問い合わせをいただいて、それに対するキャンバスからの返答文面を引用・転載する体裁で投稿されているものが、ときどき見受けられます。
個人投資家向けセミナーや株主総会、あるいは電話で聞いてきたという体裁で投稿される場合もあります。

ところが多くの場合、正確な転載や記載になっていません。
投稿者にとって都合良く切り貼りされていることが少なくないのです。
また、お問い合わせの内容や前後の文脈に応じたご回答になっているにもかかわらず、前後の文脈を抜きにして部分的に「転載」されて、意味が変わっていることもあります。
たとえば、文中の指示代名詞「それ」の指す対象が変えられてしまっているケースまでありました。

当たり前の話ですが、掲示板というのはそういう場です。
掲示板の記載は、仮に当社からのメールの転載のような体裁になっていたとしても、当社はその内容に一切責任を負いません。
また、それらの真偽について個別に対応もいたしません。つまり、否定しないからといって必ずしも肯定を意味するものではありません。
今日のブログ記事はあくまでも例外です。

掲示板に記載されている情報は、上記を十分にご承知置きの上で、慎重に(あまり真に受けずに)ご利用ください。

もちろん、こうした掲示板の情報ではなく、ウェブサイトにある動画やブログや開示資料をじっくりとご覧いただいたり、キャンバスの株主総会や投資家リレーション(IR)イベントに直接お越しいただくほうが、より正確にご理解いただけます。