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個人株主のかたがたからいただいた言葉と、私たちのとり得る選択肢

2020年10月01日 12:00

加登住 眞

今回のブログは、いつもに増して長くなってしまいます。あらかじめご了承ください。

前回のブログ記事で質疑応答の様子をお伝えした9月29日の株主総会のあと、同じ会場で「株主報告会」を開催しました。
使用した資料はこちらの「会社プレゼンテーション資料2020年10月版」です。
この報告会は、株主総会のような「当期の事業報告」「決算報告」などの枠を離れ、遠路お集まりいただいた株主の皆様に改めて会社の現状を報告し情報を共有する目的で、これまでも毎年開催しているものです。

今回は、前半で会社全体の姿とこれまでの経緯や選択について私(加登住)から、後半でCBP501の開発進捗の現状や周辺情報について河邊から、それぞれお話ししました。
大まかにいうと、これまでのさまざまな選択の結果として会社の命運を賭けて現在の開発に至っていることを私がご説明し、その開発がしっかりと結果を出しつつあることを河邊がご説明しました。
今回、ふたりともいつになく説明に力が入り、予定の時間をオーバーしてしまったため、会場の都合で質疑応答の時間をほとんど取れなくなってしまいました。ご質問を準備しておられた方々には申し訳なく思っています。

「ひとつだけご発言をお受けします」と会場の株主の皆様にお声をかけたところ、ひとりの個人株主のかたからご発言がありました。

《今日ここへ来るまで、キャンバスについて曇りで今にも雨が降りそうな認識しかなかったのですが、この報告会をお聴きしたら全然違って、とても晴れやかで秋晴れのように感じました。
ただ、今話していただいたような河邊社長や加登住さんの真意や正しい情報が、一般のかたがたに上手く伝わっていない気がします。
それがもっと伝わるように、今の状況をもっと上手く公表すれば、株価は今のような状況ではなく、すぐに倍になると思いますよ。

今日、お話を伺っていると非常にわかりやすく、この調子でふだんの投資家リレーションや説明会などでもビシビシと発表なされば良いと思います。
適時開示やブログ、あるいはメディアを通して、もっとわかりやすく「キャンバスはこんな素晴らしい試みに挑戦しているんだ」ということを伝えてはどうですか。

例えば「生存率」とか「病勢安定」とか「無増悪なんとか」とか、一般の素人でスッとわかる人はほとんどいないと思います。せっかくのこんなに良い内容が、適時開示を見ていても伝わってきません。
開示資料に小学生でもわかるくらいのわかりやすい説明を長めの脚注で用意しても良いのではないでしょうか。
この内容が一般に伝わっていないのは、株価の面でも大変な損失だと思います。伝わればすぐに1,000円や2,000円になりますよ。

5000人以上の株主は皆、キャンバスが好きなんです。キャンバスを応援する気持ちで株を持っておられるのです。
株主は皆仲間です。社長を支える応援団です。掲示板等を見ているといろいろなことを書く人はいますが、株主は一丸となってキャンバスを支えています。

今日の報告会でお話しになった調子で良いのです。簡単なことです。ぜひ、成果をわかりやすく伝えるよう頑張っていただきたいと思います。》

このお言葉に対して河邊と私からそれぞれお礼と今後への決意をお答えしたあと、私は
「ひとつだけ、余計なことを喋るように思われるかもしれないけれどこの機会に付け加えさせてください」
とマイクを取らせていただきました。
(これも原文のままお伝えしたいところですが、文字にしてみるとあまりに言葉足らずの部分が多すぎるので、数箇所に加筆や修正をしています。)

(加登住)
さきほど株主総会中のご回答でも少し触れましたが、これまでの活動の中で、製薬企業が評価するかどうか・提携が獲得できるかどうかという点に、ともすれば私たち自身もちょっとこだわりすぎたかなと、今痛切に反省しています。株式市場を通してキャンバスを応援してくださっている皆さんを、私たちがミスリードしてしまったかもしれません。
現実に、主に米国で、例えばキャンバスと提携しているStemline社などのように、製薬企業との提携(とそこからの資金調達)に頼らず、株式市場や機関投資家からの投資で得た資金で自ら開発を進め、承認まで持っていく会社が出現しています。
そういった事例を見るにつけ、また、今回の株主様のお言葉を受けて、私たちは、株式市場、株主の皆様・投資家の皆様を、開発資金提供者・開発成功時の利益分配享受者という意味で、製薬企業等との提携と同等の意味を持つ「パートナー」として認識し直すべきではないかと感じます。
これは、株式市場を「リスク資金の調達の場」「成功時の利益分配の場」としてきちんと活用しようというものです。
さきほどの株主様からいただいたお言葉とも通じる考え方だと思います。
そうした形を含めて、適切な資金調達等の場面で株主の皆様にご協力をいただきつつ、私たち会社は開発の進捗を通じて中長期的な企業価値の増大を実現し、株主の皆様にその成果を利益として享受していただく、そういった株式市場の原点に立ち返っていく選択肢も、場合によっては持つべきではないかと考えています。
これまでも少なからず考えていたことではありますが、現在の開発の順調な進捗を受け「もし提携が獲得できなかったとしても開発を前に進めるべき」と判断し得る現状と、今回のご指摘叱咤激励とを受けて、これまで以上にその思いを強くしています。
今後も当面は研究開発投資の先行する時期が続きますが、株主の皆様のご理解とご協力もいただき、しっかりと開発を進めて企業価値を高めていきます。

いくら「もし提携が獲得できなかったとしても」という話とはいえ踏み込んだ発言に聞こえすぎたかな、ひょっとしたら轟々と非難を浴びるかもしれないな、などと少し後悔しつつ、ご来場とご清聴に感謝し頭を下げたところ、想像に反して会場の株主の方々から温かい拍手をいただきました。

その後、会場を後にされる株主の皆様をお見送りしながら、さきほどの発言のかたを含む3−4人ほどの株主のかたと数分間の立ち話になりました。
その中のおひとりが、こんなふうに話されました。

《製薬企業と提携できたとしても条件次第では追加の資金調達が必要になるかもしれないのだし、それでCBP501が承認までこぎつけたとしてもウチは何割かのロイヤリティを受け取るだけになってしまう。
それならばいっそ、市場や機関投資家から調達ができるのなら、自力で最後まで進めて売上も利益も総取りしたらいいんじゃないか。
そうしたほうが、増資で株が薄まったとしても株主の利益は大きくなるんじゃないかな。
そのくらい長い目で大きく行きましょう。応援していますよ。》

まず細かいことですが、最後の「応援していますよ」という言葉以上に、株主のかたがお話の中でキャンバスを「ウチ」と呼んでくださっていることに深く感謝し、こうした方々から経営を付託されている責任を痛感しました。

また、私が言葉足らずだったところまでしっかりとご理解いただいていて、とてもありがたく感じました。

実際のところ、煎じ詰めれば提携の獲得とは「将来の成功時の利益分配を享受する目的で研究開発資金を出したりサポートしたりするパートナーが現れた」ということであり、それが製薬企業であるかどうかは最重要ポイントではありません。
昨年アドバンテッジアドバイザーズから受けたような投資家からの出資は、資金以外の面では自社で開発を進めることができ製薬企業ならではの支援を必ずしも要しないキャンバスにとって、製薬企業提携による入金との実質的な違いはあまりありません。
資金提供と利益分配の条件が妥当なものであるならば、これはさほどの極論ではないと私は考えています。

だからこそ、製薬企業との提携でなく株式市場や機関投資家からの投資で得た資金で自ら開発を進めて承認まで持っていく企業が相次いで出現し、創薬ビジネスモデルのひとつになりつつあるのでしょう。
経済産業省「バイオベンチャーと投資家の対話促進研究会」がとりまとめた報告書「伊藤レポート2.0 バイオメディカル産業版」も、いきなり冒頭から

創薬型ベンチャーが医薬品を上市し成功するためには研究開発を支える資金調達が重要です。成功例が次々と創出される米国の創薬型ベンチャーの資金調達環境をみると、上場後も1社平均10年間の赤字期間が継続しているにもかかわらず、1社平均350億円程度を株式市場(機関投資家が中心)から調達し成長しています。

https://www.meti.go.jp/press/2019/07/20190718008/20190718008.html

と指摘しています。
(米国で通用することが日本でも通用するはずなどと甘い考えを持っているわけではありませんが。)

もちろん、そう話された株主のかたや私の発言に拍手をくださった株主の方々のお考えを、そのまま株主の皆様の総意と考えることはしません。5,000人を超える株主の方々にたくさんのお考えがあることは承知しています。
もし私たちがこの選択肢をとるのであれば、今回ご指摘いただいたように、臨床開発の進捗とともに成功確率が徐々に向上して今まさに(提携獲得の有無にかかわらず)企業価値が増大しつつあることを、どのようなお考えのかたにも広くわかりやすくお伝えしなければならないのだと思っています。

さきほどの私の発言の中に「適切な資金調達」という語があります。
その「適切」とは、株主総会の質疑応答で触れたサンクコストの話のとおり、資金を投入して開発を前に進めることで投入額を十分に上回る企業価値を生むことが期待できるという意味です。
それが期待できるなら、株式市場や投資家はキャンバスへの資金投入を受け入れるでしょう。
逆に、それができないなら、たとえば仮に製薬企業等との提携獲得後であったとしても、その資金調達は適切と言えないと思います。
これまでもこれからも、そのような資金調達をするつもりはありません。その場合には、開発の打ち切りやペンディング等を選ぶことになるでしょう。

製薬企業との提携であれば、「資金を追加投入することでそれを上回る企業価値を生むことが期待できるかどうか」を判断するのはその製薬企業です。
もし市場から調達するのであれば、「資金を追加投入することでそれを上回る企業価値を生むことが期待できるかどうか」を、開発から得られたデータや周辺との比較などをもとに、株式市場、株主や投資家の皆様に判断していただくことになります。

その判断に使っていただくために、開発から得られたデータや周辺との比較などをひとつひとつわかりやすく正確に株主や投資家の皆様にお伝えして、資金を追加投入することでそれを上回る企業価値を生むことが期待できるかどうかをそれぞれにご判断いただくための努力を、私たちはこれまで以上に続けていきます。
それは、今回のCBP501フェーズ1b臨床試験のデータにはそれだけの価値があると私たちが考えているからです。

なお、最後にひとつだけ、とても大切な点を付け加えます。

こんなに長文で「提携を獲得できなかったとしたら」という話ばかりしていると、「キャンバスは提携獲得をあきらめたのだな」などと読む人が絶対に現れますが、このブログ記事を掲載することでそのように思われるのは心外です。キャンバスは引き続き、製薬企業等との提携の獲得を目指して交渉や協議を続けています。

「提携が獲得できなかったとしたらどうするのか」という話を、これまで私たちはほとんどお伝えしてきませんでした。
提携が獲得できなかった場合にキャンバスがとり得るいくつかの選択肢についても、ほとんどお伝えできていませんでした。
それは、ともすると、そういった話をするだけで「キャンバスは提携獲得をあきらめたのだな」と思われてしまうのを恐れ、避けていたのかもしれません。
また、私たち自身も過去に、まだCBP501について今ほどのデータが集まっていなかった頃には、「この先へ進むためには提携の獲得が前提」とお話ししていた時期もありました。

そのために、その後の臨床開発の進捗などで状況が大きく変化したにもかかわらず、あたかも、提携が獲得できなかったら打つ手がなくなり、どんなに臨床開発データが良く前に進む価値があったとしても開発をやめるしか選択肢がないかのように、今現在も思われています。
それはあまりに今のキャンバスにとって不本意なので、今回はちょうど良い機会に「提携が獲得できなかったとしたら」の話をまとめてお伝えしたものです。

繰り返しになりますが、キャンバスは今も引き続き、(時期や確率、感触などのお話は今後もできませんが)製薬企業等との提携を目指しています。誤解やお間違えのないようにお願いします。

以上、とても長い記事になりましたが、これはいわば「提携が獲得できなかったらどうする選択肢があり得るのか」というご質問に対する、ひとかたまりのご回答です。
また、キャンバスの社内にもさまざまな見解や選択肢の提案があり、その中のひとつのご紹介であることにもご留意ください。
この記事の中の一部表現だけをとりあげた議論はご遠慮いただきたいと考えています。

※ご注意
当社のブログ記事は情報提供を目的としており、投資勧誘等を意図するものではありません。今回のブログ記事には個人株主の発言を概ねそのまま記載している部分が多数あり、発言全体のニュアンスを損ねないために敢えて表現を変えていない箇所があります。そのため、発言引用部分(《 》内、太字)には、たとえば株価に関する具体的な言及など、当社の見解を反映したものではない表現も含まれていることをご了承ください。

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