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ReBorn

2015年07月08日 09:00

河邊 拓己

2015年7月。
新しい決算期・第17期のスタートに当たってキャンバスは、新しい局面に入ります。

まず、CBP501。
多様な細胞機能に関わるよく知られた蛋白質カルモジュリンの機能を調整し、複数の作用により抗癌活性を示す、独特の抗癌剤(カルモジュリンモジュレーター)です。
(蛋白質の作用を止める「阻害剤」「インヒビター」ではありません。)
2005年から米国FDA規制下で臨床試験を開始し、2013年には2つの臨床第2相試験を済ませていながら、財務的制約から開発を一時保留していました。
この間、キャンバスの機動力ある臨床開発・基礎研究チームは、CBP501が癌細胞をただ傷害するだけでなく、癌細胞を免疫原性細胞死(免疫細胞の注意を集めるような種類の細胞死)に導いたり、「癌微小環境(癌細胞が育っている周辺の細胞)」にも作用して「癌免疫」や「癌幹細胞」に関わる広範な作用を示す可能性を発見しました。
このことは、一日も早い結果を出そうとしている提携パートナー獲得交渉の何よりの後押しになり、また、新たに示唆されたCBP501のそれぞれの作用を強化改良した新たなパイプラインを創出するプロジェクトの原動力ともなります。
これらに加え、2015年6月に公表した資金調達(エクイティ・コミットメントライン)によって、臨床試験結果の解析から示唆されたCBP501の有用性を証明するためのフェーズ2b試験に踏み出す足掛かりを作ることができました。
CBP501とそれを支える知的財産やノウハウの社内蓄積は、単なる「提携を探している抗癌剤候補化合物」のそれではなく、キャンバスが目指している究極の目標である「癌完治への貢献」を実現するための、重要な基盤となっていくでしょう。

次に、CBS9106。
細胞核から細胞質への蛋白質の移動を司るXPO1の可逆的阻害剤です。
2013年には前臨床試験を終えていたものの、やはり財務的制約から、提携パートナーが確保できるまで開発を保留していました。
かなり以前に、「可逆的」でないXPO1阻害剤だったレプトマイシンBという化合物が有望視されつつ臨床第1相試験で安全性を示すことができず脱落していたため、製薬業界においてはこれまで長い間、「XPO1阻害はダメ」という印象に覆われていました。私たちは、蓄積した実験結果を元にレプトマイシンBとの違いを主張してきましたが、その「印象」を乗り越えることはできずにいました。
しかし2014年、ある米国ベンチャー企業が自社で実施したXPO1阻害剤の臨床第1相試験で安全性をクリアした途端、CBS9106を巡る環境が一変しました。そしてその結果、同年末にはStemline社との提携成立に至りました。
現在は、Stemline社による年内のIND申請(米国での臨床試験開始申請)のための情報・ノウハウの提供を継続的に実施しているところです。
この提携の成立は、CBS9106の開発が前に進むというだけでなく、それだけで営業利益を計上できるほどの規模ではないもののキャンバスに安定的な収益をもたらし現金費消ペースを抑制するという、大きな意味があります。
また、もうひとつの大きな意義は、私たちが築いてきた創薬方針やそれに基づく創薬基盤技術(スクリーニングや候補化合物の最適化活動全般)の妥当性が、それらを通して探索創出したCBS9106が外部者の事前の入念な調査をクリアし提携に至ったことによって、改めて認められたことです。

これらの成果をもとに私たちキャンバスはこれから、創薬ベンチャー企業として新しいステージに入ります。

折しも、進行癌治療法開発の世界では、今まさにパラダイムシフトが起きています。
過去何十年もの間、「自身の免疫の力を利用して癌を倒す」ことは、ごく一部の例外を除いて「実現できない理想」でした。
だから、現実的な手法として癌細胞をできるだけ特異的に叩く薬剤を多く開発し、進行してしまった癌の多くについては、余命を数ヶ月ずつ延ばすことが積み上げられてきました。

昨年・今年と、相次いで臨床試験結果が判明した「癌免疫」に関わる新しい治療法は、「実現できない理想」だったものがついに「実現可能な目標」になったことを、明確に示しました。

癌細胞を特異的に攻撃すると考えていたCBP501に「癌免疫」に関わる作用が見つかったことは、まさに、CBP501の「ReBorn」。
この時期にここに至ったのは、単なる偶然とは思えません。
このお話については、近いうちにもう少し詳しくこの欄でお届けしたいと思います。

事業に伴うリスクは相変わらず高いままです。今後ますます高まるでしょう。
しかしながら、こうして足場を固めていくことによって、キャンバスの目標としている「癌治療への貢献」ができると私たちは信じています。
そして、そのために必要であると同時にそれに近づくことでのみ得られる「長期的な企業価値の最大化」も、これによって実現できると私たちは信じています。

『ReBorn』。
「再び生まれる」「生まれ変わる」は、もちろんトヨタの宣伝で有名になった表現。今のキャンバスを表現するのにぴったりしているので使っちゃいました。ごめんなさいトヨタの皆さん。

この機会に、ご覧のようにウェブサイトを一新しました。
オレンジを基調としたReBornロゴの話など、ウェブサイトの細かいご説明はこのブログを次に書くことになっている加登住に譲ることにします。
まさにこのブログも、インベスターリレーションズの拡充を目指したReBornの試みのひとつです。
私とCFO加登住が、不定期かつ今回ほど多くの文字数ではないものになると思いますが、時宜に応じた情報や近況ご報告、科学的側面のわかりやすいご説明、インサイダー情報でない範囲のこぼれ話や裏話など、キャンバスをより深く知っていただくための情報を発信していきたいと思っています。
今後慣れてくれば、堅苦しい感じも少し減らしていきたいものです。また、文字情報ばかりでない発信も、ご反応を見ながら採り入れていきたいと考えています。

皆様には、ReBorn後のキャンバスにご期待いただきたく、また、倍旧のご支援とご指導ご鞭撻をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

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