マネジメントブログ

決算説明会ご報告

昨日8月18日、2020年6月期決算説明会(アナリスト・報道機関向け)を開催しました。
ご時世を反映して密を避けたレイアウトにした説明会会場には約10名ほどお集まりいただき、オンライン(今回はYouTubeを使用しました)で8〜10名のご視聴がありました。

投影した資料はこちらです。
動画配信は現在準備中で、数日中に上記URLでご覧いただける予定です。今しばらくお待ちください。

新任研究開発部長日比野 自己紹介

この資料、15ページの「新任研究開発部長紹介」が空欄になっています。
プリントミスではなく、実際にこの画面と次のページの図を投影して、フリートークの自己紹介をしてもらいました。
8月1日付でCOO兼研究開発部長に就任した日比野敏之の自己紹介を、こちらに掲載します。
(なお、発言趣旨を変えない範囲で一部の表現を変更しています。)

✽ ✽ ✽

7月に入社しました日比野です。
製薬会社(中外製薬)と証券会社(三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、運用会社(三井住友DSアセットマネジメント)を経て、このたびキャンバスに入社することになりました。

私の足下の使命についてお話ししようと思います。
私は、この銘柄(キャンバス)の株価は大きく割引されていると思っています。
それはつまり、「成功確率が低いのではないか」「フェーズ2・3試験に進めないのではないか」「承認が取れないのではないか」というふうに資本市場から思われているのだろうと思います。
私は、研究開発の側面から、その部分の割引をなんとか取り除いていきたいと考えています。

その割引の要因としては、この図(プレゼンテーション資料16ページ)の上のふたつ
「創薬ノウハウの蓄積」
「癌免疫への注力」
が、キャンバスの魅力として上手く伝わっていないのではないかと思います。

創薬ノウハウの面では米国で臨床試験の経験も豊富にありますし、癌免疫の領域の知見、基礎実験系も社内に確立しています。
このふたつを用いて、フェーズ2・3、承認まで持っていくのが、私の使命だと思っています。

そして、私が特に考えておりますのは、患者さんの治療満足度の低い領域への注力です。
PD-1やPD-L1の効かない患者さんやオーファンの癌領域で開発を進め製品を作っていけば、中長期的な評価はもちろん上がっていきます。

以上です。よろしくお願いします。

質疑応答

続いて、質疑応答です。
後日ウェブサイトにも公表しますが、いつものようにブログで先行公開します。

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Q: フェーズ1b試験拡大相で膵臓癌組入れが終了しているが、その投与や観察期間の終了、結果の発表は、いつどのような形になるか。

A: (河邊)
膵臓癌について、前回の学会発表後の新しい情報は、今回の決算説明会でお伝えした「拡大相でも病勢コントロール率50%達成」と「白血球数1万/μL以下の10名で無増悪生存期間(PFS)中央値4.2ヶ月・全生存期間(OS)の中央値5.9ヶ月」というデータ。
これらは、症例数が小さいことで留保は必要なものの、非常に良いデータと考えている。
発表については、機会として適切なものがなく、来年の米国癌治療学会まで発表しない可能性がある。
もちろん臨床試験の最終報告ということで発表はできるであろうが、2020年6月の中間報告発表で9割方のデータが公表済みで、ニュース性という意味では発表の意義が薄く、どうするか検討しているところ。
データの揃うタイミングについては、最後に投与を開始された患者さんの治療がどこまで続くかによるが、投与開始から概ね半年程度と思われる。

Q: MSS直腸大腸癌の組入れ進行状況と今後の見通しはどうか。

(河邊)
現在、拡大相で6例目の投与が始まっている。組入れ状況は相変わらず遅め。
一方で薬剤の有効期限も迫っており、また、今後の開発戦略を検討する上で必要な情報は概ね獲得できたこともあって、10例の組入れを待たずにフェーズ1b試験を終了する選択も検討している。

Q: 今回の新型コロナウイルス治療薬(IDO/TDO二重阻害剤)の作用機序は、ウイルスが変異した場合にも有効か。

(河邊)
基本的には、重症化を抑制する作用。原因となる新型コロナウイルスが変異をしようが何をしようが、あるいは新型コロナウイルスでないものが原因であっても、その種のもので起きるサイトカインストームによる重症症状に対して、広く効果を示す可能性があると考えている。

Q: IDO/TDO阻害剤の競合状況は。

(河邊)
IDO単独の阻害剤については、他社の大きな臨床試験が失敗して大手が軒並み手を引いたものの、その後しばらく経った現在は、臨床試験手前の動きが活発化している。
これと並行して、IDO単独でなくIDOとTDOの両方を阻害すれば良いのではないかとする文献は既に出ており、水面下で二重阻害剤の抗癌剤開発が複数あると認識している。
ただ、現在我々が把握している限り、臨床試験の段階に入っているものはない。

Q: アドバンテッジアドバイザーズのアライアンス支援はどのような内容か。

(加登住)
同社には、当社がこれまでリーチできているいわゆる大手製薬企業等とは異なる、製薬企業以外の事業会社などの提携交渉窓口のご紹介でご尽力いただいている。
また、今回のCOVID-19治療薬(これ自体はアドバンテッジアドバイザーズからのご紹介ではないが)の話のように、基礎研究基盤のある当社には「CBP501の臨床開発」とは切り口や間口の違うさまざまなアライアンスのタネがある。そうした面でも、さまざまなご紹介や示唆をいただいている。