CanBas

サイトマップ

お問い合わせ

ENGLISH

IR情報

IR情報

決算説明会資料 

2020.2.18 2020年6月期第2四半期決算説明会


《配付資料》

2020年6月期第2四半期決算説明会資料(2020年2月18日)

《質疑応答(要旨)》

Q. 拡大相では膵臓癌・MSS直腸大腸癌各10例の拡大相をやっているが、この設定は提携候補先との協議の上で決定されているのか、それとも独自で決定したものでこのデータをもとに提携候補先へアプローチしようとするものか。

A. (河邊)現在の設定はキャンバス自身で決めている。
望むらくは、次相の試験は提携(候補)先の意向を踏まえたものになることだが、それ以上に、次相試験は規制当局の意向(この指標をクリアしたら承認、など)を踏まえたものになるのが理想。


Q. 前回の発表資料ではCBP501拡大相試験の内容を2020年6月から9月の学会に発表するということだったが、現在の進行状況だと直腸大腸癌については組入れ完了が難しく、発表されないことになるのか。

A.(河邊)進捗状況にかかわらず、試験全体(拡大相だけでなく用量漸増相も含めたフェーズ1b試験全体)の中間報告という内容で、6月から9月に開催される比較的大きな学会で発表することを考えている。
まず目指しているのは6月開催の米国臨床癌学会(ASCO)での発表。
既に抄録は投稿してある。
審査があるので実際に発表できるかどうかは未だわからず、発表できることが決まったら適時に公表する。
10例全部の組入れとデータ収集が全部終わってからでないと発表できないわけではないが、ASCOはこれまでと異なり途中経過報告はなるべく避けるようにという要項記載が始まっていて、完全にシャットアウトとは限らないものの、実際にどのような運用になるかわかってない。
そのため、過去のASCOではこのような発表が審査で落ちることはあり得なかったのだが、今回は発表できるかどうか未詳。
一方、9月開催のESMO(欧州)は相変わらず途中経過が多く発表されているので、こちらでの発表は可能と考えている。


Q. 公表されている見込み時期「2月頃に評価可能10例に到達」というのは「2月頃に2回めのCT測定が終わる」ということか。初回投与から2回めのCT測定のスケジュールは読めないものなのか。

A. (河邊)スクリーニング期間中に測定する初回CTからカウントするので、スクリーニング期間の28日間のいつ測定されたかによって、2回目CTの時期は変わり得る。
原則6週目に2回めのCT測定となっていて、現在の見込みとしては2月末頃にできると考えている。
ただ、直前になって患者さんの状態が悪くなったり患者さんのご都合などでCT測定に至らないケースもあるので、事前に「いつ」と特定するのは難しい。


Q. ASCOなど学会発表のためには中間状態でなく全体像が見えているのが望ましいようだが、その状況になるのはいつ頃か。

A. (河邊)膵臓癌については、現在最後の患者さんへの投与が進んでおり、2月末頃に評価可能10例達成になると見込んでいる。
極端に最悪のことが起き、その患者さんが直前で離脱されCTが測定できなかった場合には、評価可能10例の達成は遅れることになるが、その場合でも残り9例に関するデータは今年の6月頃には揃っているので、学会発表には十分と考えている。


Q. それはつまり「いま投稿している抄録はショボいが当日は大丈夫」ということか(笑)

A. (河邊)抄録もそこまでショボいとは思っていない(笑)。
昨年と同様に、当日の発表は抄録よりもデータが揃っていることになる。
昨年のAACRのケースでは、抄録の時点・抄録公表の時点・発表の時点と3回にわたってデータが更新され、そのたびに適時開示を実施した。
(加登住)評価可能10例の組入れ完了や学会発表の公表タイミングについては、厳密に「CT測定完了」や「学会発表確定」ではなく、それぞれその手前で「よほどとんでもないことが起きない限りほぼ確実」となった時点とすることがあり得る。


Q. 提携獲得活動の上で競合と考えられる免疫チェックポイント抗体併用の膵臓癌臨床試験は続々と失敗例が出ている中でCBP501のデータは少数例とはいえ目立って好成績と感じるが、キャンバスとしては競合の状況をどう捉えているか。

A. (河邊)ご認識のとおり、周辺では失敗が相次いでいる。
薬効メカニズムの理屈は通っていないものの早期臨床試験で華々しいデータが出ていて「これは(理屈は通っていないが)負けるのかも」と感じたものも1つあったが、事前に理屈から予想したとおり、後期の臨床試験で失敗した。
もうひとつ、好成績を示した早期臨床試験が報告されたが、これは対象患者群の既治療歴が「1以上」でOSの中央値が3.3ヶ月。昨年公表したキャンバスの数字(参考値)は既治療歴「2以上」でOS中央値5.6ヶ月なので、これも今のところ負けていないと考えている。


Q. 基礎研究を癌免疫領域にシフトしたという件で。細胞傷害性T細胞の働きを強める免疫チェックポイント受容体TIGIT阻害が有望らしいという情報を得ているが、キャンバスの標的はそれか、あるいはそれよりも潜在能力が高いと考えられるものか。

A. (河邊)それよりも有望な領域と考えている。
キャンバス自体がビジネスにできるかどうかは別として(そうしたいと考えているが)、癌を治す決め手になる標的と思っている。
もちろん研究者は皆、自分が狙っている標的がそうであると思ってやっているので、現時点では「研究者たちがそれぞれ決め手だと主張しているごまんとある標的のうちのひとつ」に過ぎない。


Q. 免疫領域はいずれにしてもものすごいレッドオーシャンだと思うのだが、その中でキャンバスが勝てると考える理由は何か。

A. (河邊)現在キャンバスの研究チームが見ている方向性は、その路線で臨床的な証拠が既にずいぶん積み上がっている領域なので、成功する確率は相対的に高いと考えている。
免疫全体は確かにレッドオーシャンだが、その重要な(とキャンバスの考える)領域だけ誰も手を着けていない。
今はそうだが、ちょっとヒントが出てきた途端に真っ赤なレッドオーシャンになると思う。
あまりこれ以上喋ってしまうと詳しい方にはすぐわかってしまい、未だ特許も出していないので、現時点ではとても曖昧にしか表現できないことをご容赦いただきたい。


Q. とはいえ、あとあとになって「やっぱりそこは重要でなかった」となるかもしれないのでは。

A. (河邊)実際にキャンバスは「G2チェックポイント阻害」で外した(とはいえ化合物は残っているが)歴史があるので、そう言われるのもわかる。
ただ、創業当時で臨床開発の経験ゼロだった頃のキャンバスが「これはイケる」と判断したものと、10年以上の臨床開発経験と基礎研究の知見を蓄積した現在のキャンバスが「これはイケる」と判断しているものとでは、自ずから精度が違うと思っている。


Q. 新領域の研究に関するもう少し詳しい公表はどのくらいの時間軸でなされる予定か。

A. (河邊)ビジネス的にも競争的にも、1年〜1年半後くらいまでに公表できる形になっていないと、あっという間に皆が追い越していってしまうと思う。
基幹となる特許を確保した状態でそのくらいまでに公表できるようにしなければ負けると感じている。
(加登住)今期後半から基礎研究費を増額予定にしているのは、この研究にアクセルを踏むための費用。