決算説明会資料 動画
2015.8.19 2015年6月期決算説明会
Part 1 2015年6月期決算報告
取締役CFO 加登住眞
Part 2 2015年6月期事業報告 ~CBP501新知見と展開~
代表取締役社長 河邊拓己
《配付資料》
2015年6月期決算説明会資料(2015年8月19日)
《質疑応答》
(河邊)ベストシナリオとしては、フェーズ2b試験が始まる前に提携を成立させ、フェーズ2b試験をやるか、それともいきなりフェーズ3試験をやるか、提携先が意思決定するという流れを想定している。
いま準備を始めている原薬は、どちらに転んでも必要になるもの。提携先がどちらをやることになっても当社がやることになってもいずれにしても原薬は必要。製造には時間が掛かるので、まずそれを始めるというのが今回の費用。
つまり、現段階では両睨みで進めているということ。
(河邊)100例程度のフェーズ2b試験を実施すれば、統計的な有意差を出せると思う。
ただ、フェーズ2b試験はあくまでもフェーズ3試験に進むための準備なので、「どの程度の確からしさの判断材料があればフェーズ3試験に進めるか」によって話が変わってくる。「統計的な有意差にかかわらず、再現することが見込まれそうでさえあればフェーズ3試験をやる」という提携先が現れれば、もっと少ない症例数でスタートすることもあり得るし、あるいは、100症例の計画でフェーズ2b試験をスタートしても途中で判断してフェーズ3試験に入るということも考えられる。
(加登住)Stemline社が2015年8月に公表している最新のプレゼンテーションによると、「2015年中のIND申請」となっている。IND申請からすぐに臨床試験スタートということはないし、不確定要因も多いので、臨床試験開始時期については言及していないと思われるが、少なくともIND申請については年内を見込んで進めていると理解している。さまざまな対応の中で当社から見ても、そのスケジュール感が無理だろうと思われるような兆候はない。
(河邊)XPO1を分解する作用の違い。
最も古いXPO1阻害剤レプトマイシンBは、一度投与するとずっとXPO1の作用を抑えてしまうために副作用で失敗した。
それに対してCBS9106はXPO1を分解するので、代わりに活性のあるXPO1が作られ作用が復活する。そのため、投与スケジュールを工夫すれば、安全域(副作用と作用の間)を広くできると考えられる。
Stemline社はプレス発表や講演等でそれを魅力と話してくれており、当社の主張もまさにそのとおりの点。
Karyopharmの化合物も、データを見る限りXPO1を分解するが、CBS9106のほうがシャープ。
(河邊)免疫チェックポイント阻害剤の効かない患者さんたちにはさまざまな原因があり、それをCBP501の作用が軽減するのではないかと考えている。
ただあくまでも現段階では理屈に過ぎず、一部マウスのデータはあるが未だ論文で公表していないので、細部はご説明できない。
(追加質問)つまり、「免疫抑制解除」という、免疫チェックポイント阻害よりもう少し広い範囲で可能性があるということか。
(河邊)はい。
(河邊)そう考えている。
もともとこの仮説の樹立は、カルモジュリン阻害が他にどのような形で生存の延長に働き得るかを文献的に調べている中で辿り着き、それを実験室で試したら本当にそうなった、というもの。
(河邊)基本的に、CBP501の「良いほうの作用」は、白血球の値にかかわらず全部の患者さんに働いていると考えられる。
CBP501はマクロファージのいくつかの働きを抑制しているが、白血球が活性化されている患者さんでのみ、その抑制作用が原因で悪いことが起きてしまっていると考えている。
(河邊)おっしゃるとおり白血球数は治療期間中に変動するが、多くの文献は「治療開始前の白血球数が一番よくリスクを予測する」と結論づけている。実際に当社でのデータもそうだった。
根拠の明確な除外基準は他の臨床試験でも一般的なので、「白血球数が高いと血栓になるリスクが高いので外します」とするだけで可能だと考えている。
(加登住)Stemline社との契約は、為替リスクを負わぬよう円建て。
上期下期の数値の違いについては、Stemline社との申し合わせで具体的な内訳については開示しないこととしているのでご了承いただきたい。説明資料でも「ほぼ」安定的と記載しているように、技術アドバイザリーフィーの変動などがある。