当社は、細胞周期に関する創業科学者の研究成果をもとに、正常細胞に影響が少ない抗癌剤の開発を目指し、その作用メカニズムの候補と考えられるG2チェックポイント阻害のメカニズムに着目して研究及び開発を行っている、創薬企業です。
特定領域に絞り込んだ創薬を自社独自の創薬エンジンを基に実施することにより、技術とプロダクトの両方を自社で創出するのが創薬企業であり、創薬エンジンを持たず開発途上の化合物を外部から導入して一定の開発ののち製薬企業へ導出する企業とは大きく異なるビジネスモデルを有しております。 この付加価値の高いビジネスモデルを完成させ、企業価値の最大化を図るため、当面の対処すべき経営課題及びその解決に向けた取組みを以下のとおり認識し実施しております。
CBP501の臨床試験推進と提携パートナーの獲得
バックアップ研究などにより開発リスクの分散や低減は図っているものの、CBP501は当社の将来の事業計画において最初の上市品と想定している化合物であり、この開発の成否が当社事業計画の実現の鍵を握っていると言えます。失敗・遅延のリスクを最小限に抑え、かつ、最も早期に適切な適応によるNDA承認を受け、CBP501の上市を実現することが、当社の事業活動において最も重要な課題です。
当社は、平成19年3月に武田薬品と締結した共同事業化契約に基づき、CBP501の臨床試験を実施してまいりましたが、平成22年6月にこの提携を解消いたしました。 当面の開発については資金面も含めて支障はないものの、将来の臨床開発を力強く推進するためには、新たな提携パートナーを獲得し、リスクの最小化と開発の加速を図る必要があります。
CBP501の適応拡大
医薬品市場においては、一品目のプロダクトライフサイクル全体から生み出される価値を最大化するため、既に上市された薬剤について当初承認を受けたのと異なる新たな効能や投与方法等でも承認を得て、適応を拡大していく戦略が一般的です。特に抗癌剤においては、医療現場におけるニーズの高さなども相まって、適応拡大戦略は製品価値を高める有力な手法とされており、上市された抗癌剤の多くにおいて対象とする癌や併用する薬剤をさまざまに変更した適応拡大が試行され、この成否が、当該薬剤を保有する企業の価値に大きく影響しております。
CBP501は現在、悪性胸膜中皮腫及び非小細胞肺癌をターゲットとして臨床開発を進めておりますが、早期の適応拡大による収益最大化のために、これらのターゲット以外の効能に関するデータの収集等に努め、CBP501の適応拡大に係る開発を積極的に推進していく方針です。
許認可当局の定める臨床試験の基準に準拠する体制のさらなる充実
医薬品の研究開発は、許認可当局の定める基準に準拠して進めなければなりません。
当社は、設立直後からこの基準に準拠する体制の構築を強く意識しており、過去の開発においてそれぞれの時点で必要な基準に準拠して事業活動を行ってまいりました。今後も、SOP(研究開発に関する標準手順書)の見直し・改訂を含め、準拠体制のさらなる充実と強化に努めていく方針であり、研究開発部臨床開発担当の増員、品質管理担当者の設置と継続的な全社教育により、この課題に取組んでおります。
CBS9106のIND申請のための非臨床試験推進
CBS9106は、当社独自の薬剤スクリーニング法により見出された薬剤候補化合物であり、現在、前臨床試験(許認可当局の定めた基準に準拠した非臨床試験)を実施しております。
当社は、CBS9106の非臨床試験の推進と早期のIND取得を実現するために、CBP501で蓄積したIND承認の経験を踏まえつつ、さらにプロジェクト管理を徹底して、効率的かつ信頼性の高い非臨床試験の推進に努める方針です。
創薬エンジンの改良・充実
当社のような創薬企業にとって、新規の開発候補化合物パイプラインを継続的に創出・獲得し候補化合物の最適化を実施する創薬エンジンは競争力の源泉であり、その改良と充実は将来の継続的な成長のために必須のものです。
当社ではこれまで、米国及び欧州で特許が発行されている当社独自の手法をもとにした薬剤スクリーニング法を創薬エンジンとしてCBP501、CBS9106を創出し、現在もCBS2400シリーズの最適化を進めています。
今後、データマイニング技術等の創薬支援ツールを積極的に活用するなどにより、当社の創薬エンジンの効率性や精度をより高め、G2チェックポイント阻害の領域で獲得した先行者優位を確立し、さらに将来的な継続性ある競争力の強化を図っていく方針です。
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