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【IR対談】いちよし経済研山崎氏(第3回)「投資判断のための情報発信にも期待しています」

2019年03月27日 15:00

河邊 拓己

長年にわたり一貫してバイオベンチャー業界のトップアナリストとしてご活躍中のいちよし経済研究所首席研究員山崎清一氏とキャンバス河邊の対談を、3回の短期集中連載でお届けしています。
(第1回はこちら)(第2回はこちら

一般投資家の皆さんには世界の創薬トレンドにも注目していただきたい

(河邊)
製薬企業からの見方に続いて、株式市場の一般投資家の皆さんからの見方についてもご質問させてください。
現在の株式市場でのキャンバスの評価の背景には、開発の進展による企業価値の向上などがわかりにくいという側面があるとともに、山崎さんもセミナー等で「創薬バイオ企業の見るべき点」と挙げておられる「製薬企業との提携」について、キャンバスがCBS9106に関するひとつしか持っておらず最優先パイプラインであるCBP501に提携先がないという点もあると思います。
そうした状況で、一般投資家の皆さんがキャンバスを評価し投資判断をする上で注目するべきと考えておられることがありましたらご教示ください。

(山崎)
投資家が関心を持つのは「提携ができるかどうか」ですが、その「可能性」の向上をどう判断するかとなると、専門知識を持っている方を別とすると、なかなか一般投資家には難しいところだと思います。
ですけれども、それでも一般投資家の皆さんになんとか努力してぜひ見てほしいと思うのは、「世界の創薬トレンド」です。
キャンバスさんを見るのであれば、抗癌剤の創薬トレンドがどちらへ向いているか。
キャンバスさんのやっていることとそのトレンドが一致しているか。
ぜひこれは、興味を持って見ていただくべきところだと思います。
なかなかそういう情報の獲得は難しく、特に、一般紙だけではなかなかそこまで押さえた情報を収集するのは難しいと思います。
できるならば、日経バイオテクのような専門誌にも目を通していただきたい。
日経バイオテクONLINEの見出しだけでも海外の提携事例などがたくさん出てきて、その流れを追えば
「いま世界の製薬企業の関心はこちらの方向に向いているんだな」
というのがクリアになってきます。

(河邊)
なるほど。

(山崎)
それに加えて、これも別にヨイショするわけではないのですが、キャンバスさんのブログで河邊さんがASCOの情報などを書いておられ、しかも、一般の方に対して理解しやすいようにかなり噛み砕いた形で書いておられるのは、一般投資家の皆さんにはかなり参考になると思います。
キャンバスさんには今後もブログなどでの情報発信を頑張っていただきたい。
特に、世界の抗癌剤の創薬トレンドがどんな方向を向いているか、最近はどういうものが関心を持たれているか、そういった情報を発信していかれると、一般の投資家の皆さんにもかなり有益な情報になると思います。

(河邊)
はい、ありがとうございます。心がけていきます。

バイオ各社がブログで情報発信する流れは良い傾向

(山崎)
一般の新聞やニュースを見ている限り、たとえばCAR-Tだってつい最近ですよね。われわれは2010年くらいからぎゃあぎゃあ騒いでいたのに(笑)
日本では残念ながら、全般的に見るとまだまだガラパゴス的な部分があります。正直なところ、その傾向は日本の製薬企業にも感じます。
日本の製薬企業によるCAR-Tの導入もようやくこの1-2年で動いている。
なので、より早い段階から世界の流れというものを皆さんに知っていただくという意味では、「専門誌を読め」と申し上げるのはなかなか一般投資家の皆さんには酷ですから、そのあたりはまさにキャンバスさんのブログを読んでいただくのが良いし、そこで伝えるのはキャンバスさんの腕の見せどころじゃないかと期待しています。

(河邊)
頑張りたいと思います(笑)
今回の企画で山崎さんにご登場いただいて、このブログへの注目度もこれまで以上に上がると期待しています。

(山崎)
最近いろんなバイオベンチャーが、広報ブログや社長コラムということで、プレスリリースに対する噛み砕いた解説や、ニュースにするほどでもない近況の報告などの情報を発信されるケースが目立ってきています。
キャンバスさんが火付け役となったこの流れは、非常に良い傾向と思っています。
その中でキャンバスさんのブログの大きな特徴は、河邊さんと加登住さんとが役割を分担して、サイエンス的な側面と財務的な側面をバランスよくお書きになっているところですね。
一般投資家の皆さんに理解してもらいたいという熱意が感じられます。

(河邊)
その点をご評価いただけるのはありがたいです。
バイオ企業への投資というのは基本的にハイリスクだし、それをしていただく上では、理解していなかったと言われるのが何より怖いことですから。

情報発信で投資家の理解が深まれば株価の動きも変わる

(山崎)
キャンバスさんも含めて、各社さんのプレスリリースを読んでいると、妙に形式張ったところがありますよね。
それだけを読んでいるとなんとなくピンとこない。
昨年12月のバイオベンチャーIRセミナーでも申し上げたのですが、かねてから日本では不思議なことに、臨床試験の結果を発表しても株価が反応しない傾向がありました。
最近はサンバイオさんやデ・ウエスタン・セラピテクスさんで臨床試験の結果に株価が反応するなどこれまでと違う動きが見えてきたとは思いますが、とはいえ、じゃあその前はなぜ反応が出なかったのか。
いくつかの理由はあると思いますが、ひとつには、臨床試験結果をはじめとする重要なプレスリリースがわかりにくいせいだと思います。
あれを読んだだけでは、良い結果だったのか悪い結果だったのかがよくわからない(笑)

(河邊)
なるほど(笑)

(山崎)
たとえば、
「既存で使われているものにはこういうものがあって、それは実はこういうデータしか出ていません」
とひとこと加えられていれば、格段にわかりやすくなります。
そこまでプレスリリースに出すのはなかなか難しいとは思うので、そこにさらに、ブログのような別の手段で解説を加えられたら、おそらくもう少し投資家の皆さんの理解が深まって、違う反応が出てくると思うんです。
その意味で、キャンバスさんをはじめ各社のブログ等の情報発信には期待しています。
いずれにしても、日本でも臨床試験の経過や結果に対する認識・評価がもう少し上がっても良いと思います。
それができるようになればおそらく、米国のように「臨床試験の結果が良さそうだ・良かった」で株価が上がるという、あるべき姿が現れてくるでしょう。

(河邊)
プレスリリースにあからさまに書いてしまうのがいちばん良いのでしょうけれど、公式の書面で一般論でなく他社事例を引き合いに出すのはなかなかはばかられます。
それに、良い結果だったとしてもあまりアトラクティブな書き方をするわけにもいかず・・・米国バイオ企業のプレスリリースではCEOコメントとして「これはエキサイティングだ」などと平気で書いていますが(笑)

(山崎)
さすがにそこまでいくと日本の風土との関係でどうかと思いますが(笑)
たとえばキャンバスさんの最近のプレスリリースに
「免疫チェックポイント阻害剤単独ではこのくらいの奏効率とされている中でCBP501はこうでした」
という表現がありました。
あれだけでも随分わかりやすいですよね。
もし、単に「これが何%、これが何%」と数字ばかりが羅列されていたら、かなりわかりにくかったでしょう。
それは企業にとって、数少ない企業価値主張の機会を損ねてしまうことになり、もったいない話です。

大手とベンチャーが相互補完するWin-Winの提携を期待している

(河邊)
今回キャンバスが進めている臨床試験は特に、既治療歴が多く状態の悪い患者さんを対象としていることなど、これから出てくる数字を正しく理解していただくための前提としてお知らせしなればならない情報が多いので、まさに悩み、気をつけているところです。
奏効率と病勢コントロール率であったり、他の臨床試験と安易に数字だけを比べられないことであったり。

(山崎)
さらにその前提として、免疫チェックポイント阻害剤は弱点を補完できる併用薬を求められているということや、免疫砂漠である膵臓癌のような癌腫は特に弱点であることも重要ですね。

(河邊)
はい、まさにそのとおりです。

(山崎)
もしCBP501が今回の臨床試験で良い結果を報告できるなら、免疫チェックポイント阻害剤の弱点を補完できる併用薬剤候補としての注目度は大きく向上するわけですし、そういった補完関係を上手く投資家の皆さんに伝えていただければ良いと思います。
もともと2008年頃に日本でバイオベンチャーと製薬企業の提携が急増したのは、その頃にバイオ医薬品の流れがあって、大手とベンチャーのWin-Winな補完関係が成立したからです。
比喩をミクロな話に投影すると、免疫チェックポイント阻害剤をCBP501が上手く増強し、なおかつ弱点を補完するという、そうしたWin-Winな関係が成立すると、いい提携になるのだろうと期待しています。

(河邊)
ありがとうございます。引き続き頑張ってまいります。
本日は長時間にわたりありがとうございました。

※この対談は2019年3月19日に行われたものです。できる限り正確を期していますが、内容の完全性・正確性を保証するものではありません。また、この対談記事は当社および業界等に関する情報の提供のみを目的としたものであり、売買の勧誘を目的としたものではありません。

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