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決算説明会の質疑応答

2018年08月23日 19:00

加登住 眞

2018年6月期決算説明会が、昨日(8月22日)開催されました。
配布資料はこちらのページで公表しています。

事業報告・決算報告のプレゼンテーション(編集が終わり次第、動画も上記のリンク先に掲載する予定です)のあと、いつもよりもやや長く40分ほど、質疑応答の時間を設けました。
キャンバスの最新状況を深く正確にご理解いただくには、配布資料をとともにこの質疑応答をじっくりお読みいただくのが一番と思います。
今回も、このブログで先行公開します。長文ご容赦。

CBP501関連

CBP501フェーズ1b試験拡大相の対象癌腫を選定する候補は、プレゼンテーションに示された9種類(胸腺癌、膵臓癌、卵巣癌、直腸癌、結腸癌、乳癌、胆管細胞癌、大腸癌、食道胃接合部癌)と、これまでのCBP501臨床試験で手応えのあった非小細胞肺癌・悪性胸膜中皮腫の範囲ということか。

(河邊)
基本的にはそのとおり。
(加登住)
対象癌腫の選定にあたって検討すべき要素は多岐にわたり、その中には細胞株や動物での実験による非臨床データでの手応えなども含まれるので、必ずしもこの範囲に限定しているわけではない。
とはいえもちろん要素ごとの重み付けは異なり、たとえば臨床試験でのデータや手応えは非臨床データよりも重みをつけて検討することになる。

CBP501フェーズ1b拡大相に向けた準備について。今年中に拡大相を始めるのであれば、配布資料4ページに記載されている「使用薬剤の調達(拡大相に使用するCBP501の製剤)」が既に始まっているという理解で良いか。

(加登住)
拡大相に必要な薬剤が現在手元に一切ない状況ではなく、組入れの進行次第で必要になるので、タイミングを見計らって製剤を発注する予定。
(河邊)
補足すると、注射剤の有効期限は最長3年間で、現時点で使用しているCBP501は2019年8月末に期限が到来する。それ以降に患者さんに投与するためには追加の製剤が必要。
現在はとても微妙で、拡大相開始直後に組み入れが一気に進めば2019年8月以降に投与する必要がないので追加も必要ない一方、資金の状況など諸事情で組み入れが遅くなった場合には追加が必要になる。その状況を見据えながら判断する。
ただ、併用薬として使っているニボルマブの価格に比べるとCBP501追加製剤のコストはきわめて小さいので、その有無によって薬剤費の予算が極端に変わるわけではない。

CBP501の臨床試験はオープンラベルで行われているが、そこで日々見えているデータからどのような感触を持っているか。

(河邊)
手応えの強弱には幅があるが、多数の癌腫で感触を得ている。
これまで臨床試験をしてきた非小細胞肺癌・卵巣癌・悪性胸膜中皮腫のほか、今回のフェーズ1b試験でのいくつかの癌腫で、それぞれ強弱はあるが手応えを得ている。
未だ投与途上でこれから感触が出てくるかもしれない癌腫もある。
いずれも手応えの内容や強弱はさまざまで、詳細は現時点では公表できない。

フェーズ1b試験前半(用量漸増相)の結果が公表されるのはいつか。

(河邊)
学会発表のタイミング次第になる。

フェーズ1b試験の前半終了でライセンスアウトするシナリオは成立しないのか。

(河邊)
可能性は常にあると思っている。
癌が小さくなる「奏功」など良い情報が入れば、コンタクトのある製薬企業に守秘義務契約下で情報を提供している。したがって、拡大相が終わらなければ何も始まらまいというわけではない。
製薬企業等は、あるデータを持っていったら「次のデータをください」と必ず言う。次のデータを持っていってもまた同じことを言う。それを延々と続ける中で、いつ具体的な交渉のテーブルが設定されるかは製薬企業の腹次第。

拡大相の組入れ数は以前「24名」と言われていたと思うが、現時点の計画は20名なのか。

(河邊)
臨床試験をするときには、統計上の数字を得るための計画を示さねば倫理委員会を通過しない。
過去のデータで奏効率の比較的高いものについては組入れを多くしなければ有意差を証明しづらいし、比較的低いものは組入れが少なくて済む。
今回の業績見通し策定においては、今のところ有力と考えている少なめの組入れ数の癌腫2種類の拡大相を想定している。ただ、最終的な対象癌腫の選定は済んでおらず、現在出つつあるデータ次第では変更する可能性もある。

CBS9106関連

CBS9106の全世界の権利をStemlineに供与することになったが、これは今後の導出の提携交渉をキャンバスがやるよりもStemlineがやるほうが良さそうという判断があったのか。

(河邊)
その判断が大きく影響して最終的に決めたということではないが、そういう側面は気持ちの中にあった。
日本の製薬企業等の傾向として、海外からの導入には大盤振る舞いする一方で国内の当社のような会社からの導入についてはあまり大きな話が受け入れられない。そういう現実を見ているので、気持ちとしてはご指摘のような思いはある。ただ、それが最終的に事を動かすほどの影響があったわけではない。

これまで提携交渉を継続していた相手先製薬企業等はどうだったのか。

(河邊)
結果としてStemlineを選んだことからもおわかりのとおり、敢えて日中台韓を切り離してStemline以外の会社と提携するに値するほどの条件ではこのタイミングまでに決まらなかった。

3年後の2021年6月までの技術アドバイザリーフィー受け取りということだが、その2021年6月の時点でCBS9106の臨床試験はどのような状況にあると考えているか。

(河邊)
正確なところは読めないが、私の想像としては、現在進んでいる第1相試験の拡大相が終了しているかその途中くらいになっているだろうと考えている。
血液癌や併用への展開は、Stemlineの意向次第。

CBS9106は免疫チェックポイント阻害抗体との併用の可能性はないのか。

(河邊)
基礎的・一般的な話として、癌を殺すものはすべて免疫チェックポイント阻害抗体と併用で効果がある可能性がある(だから実際にほとんどすべての癌治療が免疫チェックポイント阻害抗体との併用を試している)。
それ以外では「免疫系の働きを邪魔しないか」という観点が考えられるが、キャンバスのスクリーニングにはもともと一番大きな免疫の根幹を邪魔しないかという検討が含まれているので、免疫系抗癌剤との併用には基本的に適していると考えられる。
ただ、Stemlineが自分たちでその併用の試験を進める判断をするかどうかはわからない。

次世代パイプライン関連

IDO/TDO阻害剤について。
IDO阻害剤はいずれ必ず復活するというキャンバスの主張があったが、一方で、きっと復活しないと言う先生もいる。この点についてコメントを聞きたい。

(河邊)
まず一般論として、たとえばHDAC阻害剤やPARP阻害剤も過去一度完全に死んで誰もが「あんなものは絶対薬にならない」と言われていたが復活して薬になっているという事実から、この時点での「絶対ダメだ」の評価が将来覆ることが容易に想像できる。
個別の話としては、実際に実験をやっている中で組み合わせによってはしっかり効果が得られており、適切な癌腫が見つかればとても良い効果を示すところが現れると考えられる。こういうケースで欧米の会社は積極的なので、きっとどこかが見つけ出すと思う。
また、上手く行かなかったエパカドスタットよりも我々の化合物のほうが動物実験では良いデータが得られている。

エパカドスタット自体が復活する可能性も残っていると考えるか。

(河邊)
可能性はあると思う。
先の臨床試験は失敗でも彼らはそこから後解析をやっているはずで、後解析で得られた知見を用いて絞り込んだ臨床試験を再開するかもしれない。
さらに、ドロップした要因にもよる。作用特有の副作用でなく化合物特有の副作用で落ちたのなら、改良された化合物が出てくればまだチャンスがある。

IDOとTDOをダブルで阻害することの長所は何と考えられるか。

(河邊)
よくわかっていないことの多い領域なのだが、はっきりしていることとして、TDOを過剰発現している癌というのはグリオブラストーマなどいくつか知られており、少なくともその癌ではIDO単独阻害剤は効かない。
また、身体全体で見ると、ふだんはTDOが比較的働いていることがわかっている。刺激を与えるとIDOの活性が高くなり、そこでIDOを阻害すると効果が見られる。
実験しやすく論文になりやすいという意味でIDOへの注目が集まるが、実はベースにTDOの活性が存在していて、IDOを止めてもTDOがキヌレニンを産生してしまう。

富士フイルムとの共同研究について、現時点で何か進捗はあるか。進捗が公表される見通しは。

(河邊)
成果として対外的に公表できるところまでは至っていないが、内部的には目に見える進捗がある。
どの段階で公表するかは先方との話し合いで決まる。おそらく一般的には(CBP-A08のように)前臨床試験へコマを進めるベスト化合物を決めた時点で公表するのがスタンダードと思われるが、その手前のヒット化合物の段階で公表している他社事例もあるので、何とも言えない。

資金調達関連

7月のファイナンス(社債・新株予約権)で調達する資金の大半はフェーズ1b試験拡大相の費用に充当されるということだが、その支出タイミングについて説明してほしい。

(加登住)
フェーズ1b試験は2018年10~12月に投与を開始する予定で、そこから集中的に費用が発生する見通し。3人ずつ組み入れていく用量漸増相と異なり、拡大相は組み入れを一度に進めることができる。
今回公表した2019年6月期業績見通し(配布資料14ページ)は、組み入れが順調に進捗して拡大相のほぼ全症例の組み入れが2019年6月までに終了し、費用の大半が計上されることを想定している。
ただ、そのための資金を調達する期間と費用の発生する期間とが重複している。資金調達が順調に進んでいる場合にはできるだけ早期に拡大相を開始し一気に組み入れるのが理想的だが、7月のファイナンスの性質上、これに間に合うタイミングで資金を調達できないおそれもある。
その場合には、新株予約権行使の状況をにらみつつ拡大相開始の有無やタイミング・組み入れ進捗の調整を行うことになり、費用計上額がかなり小さくなる可能性もある。

今後のファイナンスの計画について。今後も今回と同様の方法で資本市場からの調達を続けるのか、あるいは他の方法を検討しているのか。方針を説明してほしい。

(加登住)
優先順位としては
「提携等に伴う事業収益による営業キャッシュフロー」
「提携等に伴う開発費分担によるキャッシュアウト圧縮」
が最初にあり、それで足りないぶんを資本市場からの調達による財務キャッシュフローで補うという順番。
資本市場からの調達方法としては、公募増資という方法が現実的でない中で、新株予約権等の手法を活用して少しでも有利でキャンバスの状況に合致した資金調達を日々検討しており、その現れのひとつが今回のファイナンスの諸条件。

経営方針関連

アライアンス活動の基本戦略を改めて聞かせていただきたい。

(河邊)
もともとキャンバスは「早期臨床試験まで自社で進めて感触を得たあとを製薬企業等にお渡しする」という方針で始めた会社で、その方針は現在も変わっていない。
ただ、その間に世の中の抗癌剤開発の環境が大きく変化し、製薬企業等が「感触」として認めるレベルがそのときどきによって移り変わっている。
持っているシーズと製薬企業のニーズのマッチング度合いも世の中の流行り廃りのように大きく変わり、必要とされるデータのレベルがそのたびに変動する。運が良ければ非臨床データで買われる場合もある一方、臨床第3相まで進んでいても「まだまだ」と言われるものもある。
キャンバスは変わらず「早期臨床まで」の考えでいるが、その「早期臨床」の意味するものが時期や領域によって変わっているという状況。
CBP501についていえば、免疫チェックポイント阻害抗体との併用試験に参入した時点で先行試験が数百あり、その段階ではどの製薬企業も「お腹いっぱい」の状況だった。それがここ2-3年を経過し、効かないことがわかって脱落する試験も増えてきた。直近の考えとしては、フェーズ1b試験の経過や結果をもって製薬企業等と何らかの提携(ライセンス、共同開発など)ができると考えている。
つまりこのフェーズ1b試験は、会社の命運を左右するくらい大きな意味を持つ。
拡大相が上手く行った場合にはおそらく提携も獲得でき中長期的な好循環が生まれるが、そうでなかった場合には、自分たちでもう一段階上の証明を取りに行くか、次世代パイプライン(CBP-A、IDO/TDO、富士フイルムとの共同研究で獲得される化合物)の開発に軸足を移すことになるかもしれない。

研究開発型ベンチャー企業としてのスタンスについて伺いたい。現在のパイプラインは基本的に単一ないし似通ったアプローチで構築されているが、新たな発想を持った研究者を受け入れるなど、異なるアプローチの研究開発を組み合わせるリスクヘッジについてはどう考え取り組んでいるか。

(河邊)
現在、最も力を入れているCBP501の後継であるCBP-Aのほか、CBP501臨床試験の過程で偶然わかった免疫系への作用をもとに、免疫系に作用する抗癌剤を探索するプロジェクトが走っている。それがCBP-B、IDO/TDO阻害剤、富士フイルムとの共同研究。つまりキャンバスは現在、以前やっていなかったそれぞれ異なる免疫系に作用する3つの抗癌剤探索プロジェクトを有し、重層化を進めている。
まったく異なる発想への横拡げやそのための研究者獲得については、現時点でその状況ではないと考えている。何かひとつが成功した後ならば横に拡げる検討もするかもしれない。
(加登住)
株式市場の一銘柄としてのキャンバスを考えたとき、限られたリソースを割いてリスクヘッジを自社の事業の中で図るのは違うのでないかという思いがある。
単体としてはとことんリスクに突っ込んで行きハイリターンを目指し、リスクヘッジについては投資家の皆様のポートフォリオでそれぞれご対応いただくというのが、キャンバスのような銘柄がマザーズ市場に上場している意義だと考えている。

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