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第18期定時株主総会のご報告(2)株主報告会質疑応答

2017年10月13日 15:00

加登住 眞

前回のブログの末尾で予告した、9月26日定時株主総会終了後の株主報告会での質疑応答を掲載します。
未開示の情報はありませんが、キャンバスが考える企業価値についての考え方などもお話ししていますので、ぜひ最後までご一読ください。

質疑応答

Q: 研究開発の進捗や提携の獲得に向けて活発に活動している状況を報告していただけてとても喜ばしいのだが、外部から明らかに見える動きが少ないので気を揉むことも多い。
一般の株主が、普段どのようなことを待ち、どのような点を注目していればよいのか、差支えのない範囲で教えて欲しい。

A: (河邊)まず、提携の獲得については少しでも早くと考えて活動しているにも関わらず株主の皆様のご期待になかなか沿えず、とても心苦しく思っています。
お薬の開発にとてつもない時間がかかるのはご理解いただけていると思いますが、非小細胞肺癌の第2相試験のあと足踏みをする形になってしまったのは、特に心苦しい点です。

会社が収益を獲得する最速の方法は、やはり提携の獲得です。
お薬として上市されるのはそれよりもずいぶん先になります。

提携の成立する時期については、周囲の事例を見回すと、開発後期はもちろん多いけれども、ずいぶん早期のうちに提携が成立するケースも少なからず見受けられます。
また、個別の提携交渉は、あと少しのところまで話が上がっていった末に破談になることも少なくないので、いつの時点で提携が獲得できると想定するのは難しいです。
そうした理由から、開発の段階や交渉の段階がどんな状況にあったとしても、「もうすぐ提携できそうです」とお約束することはもちろん、経過を公表することもできません。

傍目には「狼が来た」の少年のように聞こえてしまうかもしれませんが、会社としては、いつトントン拍子に話が進んで提携が獲得できてもおかしくない今の状況を維持し、獲得できる確率を上げていく活動をひたすら進めるほかありません。

唯一言えるのは、次のような点です。
CBS9106については、Stemline社が米国で進めている第1相臨床試験が順調に進捗していることから、残っている日本・中国・台湾・韓国を対象とした提携を獲得できる確率が上がっているということ。
またCBP501については、これから開始されるフェーズ1b試験で得られるデータ次第で提携獲得確率が大きく変わるということ。

いずれについても、提携が成立する確率がどのくらいとは言えませんが、開発のステップが順調に進んでいるので、相対的に見ると一昨年よりも去年・去年よりも今年のほうが提携成立確率は上がっているとは言えます。

(加登住)今の点について、少し長くなりますが補足します。

投資家の皆様は、株価あるいは企業価値という視点で日々当社をご覧になっていると思います。

実は、製薬企業等の提携候補先企業も、会社全体ではありませんが各化合物・各プロジェクトについて、同じような見方をしています。

見るポイントは、絞り込むと3つしかありません。

1つめは、それが薬として上市されたときにどのくらいの利益を生むか。
いわば「お薬としての規模・価値」です。
たとえば年間50億円の売上を生むお薬もあれば、年間売上1000億円を超えるいわゆるブロックバスターになるお薬もあります。ほかの条件が同じであれば、後者は前者の20倍以上の価値があることになります。

2つめは、それが実現できる確率、つまり「成功確率」です。
これは、研究や開発の成果として得たデータや、同業他社の同種プロジェクトの成否、抗癌剤開発のトレンドなどさまざまな角度から推定されることになります。

そして3つめは「時間軸」。
ここまで2つの条件が仮に同じであっても、その実現時期が来年のものと10年後のものとでは、現時点での価値が異なります。

この3つの条件の組み合わせで、株主の皆様も、潜在的な投資家の皆様も、製薬企業等提携候補先企業も、当社をご覧になっているのだと、私たちは想定しています。
したがって、当社の適時開示や投資家向け広報(インベスター・リレーションズ)は、これら3つの条件が変わることで投資判断が変わるという想定のもとで実施しています。
この点をご理解いただいた上で当社の情報をご覧になっていただきたいと思います。

さらに当社は、「誤解を招かない」ということにも細心の注意を払っています。

たとえば時間軸については、「来年にも提携が獲得できるのではないか」と過剰にご期待いただいてもいけないし、かといって、さきほど河邊がお話したようにいつトントン拍子に話が進んで提携が獲得できてもおかしくないので、「来年はなさそうです」とも言えません。
そのため、奥歯に物が挟まった話しぶりと感じられるでしょうけれど、これまで当社はそのどちらとも言っていません。

成功確率については、基本的には投資家や製薬企業等の皆様にそれぞれご判断いただくことです。
ただ、当社の努力で上げることができるポイントが大まかに言って2つあります。
ひとつは、基礎研究や臨床開発のデータを積み上げていくこと。
もうひとつは、卵と鶏の関係ではありますが、確率向上に繋がるパートナーとの提携関係を構築して開発の厚みを持つこと。
当社は、これらに注力しています。

最後に「薬としての規模・価値」については、当社は数年前に抗がん剤開発のパラダイムシフトと時期を同じくして免疫系抗癌剤との併用に舵を切り、想定される「薬としての規模」の向上に成功したと考えています。

できれば今後、長い目での話になりますが、この3点(「薬としての規模・価値」「成功確率」「時間軸」)を上げていくために当社が日々活動していることをご理解いただいた上で、それに寄与する活動をしているのかどうかを適時開示やIRを通じてご注目・ご確認いただきたいと考えています。

Q: CBP501については武田薬品との提携解消から長い時間が経過しており、これはもうダメなのではないかという見方も出ている中、キャンバスは新しい作用機序が確認できたことをベースに開発を継続していると理解している。
そのような経緯にもかかわらず、改めてどこかの製薬企業と提携することができると考えているのか。
また、たとえば、CBP501の内容をよく知っている以前の提携先である武田薬品との提携再開などは考えられないのか。

A: (河邊)提携獲得は可能であると考えていますし、その中で武田薬品との提携関係再開の可能性も排除せず、広範な提携獲得活動をおこなっています。

製薬企業の事業方針や開発方針は時に大きく変化します。
また、CBP501については、こちらの開発方針も変化しました。
したがって、新しい提携機会は現在も今後もあると考えています。

そもそも武田薬品との提携解消は、CBP501がダメだったからではありません。
事業の方向性、どのような癌腫を狙った抗癌剤をどのような方針で開発していくかが異なったことで、提携を解消したものです。

なお、一般的にお薬の開発では、大きな製薬企業等が切り捨てた化合物が別の製薬企業等との提携を得て開発され、市場規模の大きなお薬となった例は少なくありません。

Q: キャンバスの適時開示はお昼のものと夕方のものがあるが、あとからウェブサイトを見てもその日の何時に開示されたものか表示されていない。改善してもらえないか。

A: (加登住)当社は海外の企業や臨床試験実施施設との取引関係などがあるため、日本における休日や深夜のうちに当社が開示すべき事実が発生することがあり、情報のタイムラグ発生を避けるためにお昼に開示せざるを得ない場合があります。
ご要請いただいた時刻表示については、システム上の制約もあるので確実なお約束はできませんが、できる限りご要望に沿うよう前向きに検討します。

Q: 富士フイルムとの共同研究はどちらから話を持ちかけたものか。

A: (加登住)提携や共同研究は結婚や恋愛に喩えられることも多いように、どちらが言い出したのかと言われても特定しづらいことが多く、本件もそのひとつです。
ただ、流れとしては、ご存じのとおり当社は常にたくさんの候補先製薬企業等に向けてアプローチをしていて、富士フイルムもそのひとつだったことから、客観的には「当社からもちかけた」という認識が妥当と思われます。

Q: オプジーボの例を見ると、悪性黒色腫や肺癌など限られた癌で、そのうち2割か3割の患者さんにしか効いていない。
そして薬価も目が飛び出るほど高い。
そのような状況で、キャンバスは今後CBP501の開発をどういう方向に絞り込んでいくのか。
また、薬価はどのようになるのか。

A: (河邊)ターゲット癌腫については、今回始まるフェーズ1b試験の経過によって変わっていく可能性があります。

たとえば、オプジーボのような免疫チェックポイント抗体がまったく効かない膵臓癌の患者さんについてCBP501との併用で効果が見られれば、その方向で絞り込むかもしれません。
一方、そのような特別なことがなければ、これまでCBP501の臨床試験で効果の兆候が見られた肺癌・悪性胸膜中皮腫といった癌腫をターゲットとして検討することになります。

ただ、攻め方は今回大きく変わりました。
これまでの臨床試験では、「初期治療(過去に化学療法を受けていない)患者さん」を対象としており、当たれば大きいけれども難度も高い戦略をとっていました。
今回は、「過去に化学療法(免疫チェックポイント抗体を含む)を受けたけれども効かなかった患者さん」といった小さな集団を対象とする試験です。
オプジーボが最初は悪性黒色腫という比較的市場の小さい癌腫から承認を獲得して横に広げていったのと同様の、一点突破から横に広げる戦略をとることになります。

薬価については、オプジーボのような抗体医薬はそもそも製造コストが嵩むためどうしても高くなってしまい、下げると言っても限界があります。
CBP501は短いペプチドなので低分子化合物とほとんど変わらないコストで製造できるため、低い薬価にも耐えられます。

現実に新薬になるときの薬価を当社自身がコントロールできる可能性はとても小さく、開発途上で提携した製薬企業等が決めることになりますが、少なくとも、抗体医薬のように高い薬価でなくても十分に利益が確保できると考えています。

補足

最初の質疑で私がお答えしている「3つのポイント」は、キャンバスのような研究開発段階の会社の企業価値を検討する際に用いられる「定番」のひとつです。
追い追いこのブログで、ひとつずつ詳しくご説明するつもりです。

たとえば昨日、カリオファーム社のXPO1阻害剤「Selinexor」・第二世代 XPO1 阻害剤「KPT-8602」に関するライセンス契約締結のプレス発表がありました。

他社様どうしの話なので詳細のコメントは控えさせていただきます。

ただ、この「3つのポイント」を踏まえると、Stemline社にライセンスしているCBS9106と同じXPO1阻害剤(開発段階は先行されています)が製薬企業等の提携を獲得したことが、キャンバスにとってポジティヴなニュースと捉え得ることをご理解いただきやすいと思います。

今回の同社のプレス発表は、キャンバスがかねてから説明会やブログ・ウェブサイトなどで主張してきたXPO1阻害剤という創薬ターゲットや具体的な化合物CBS9106について、上記でご説明したポイントの1つめ「薬としての規模・価値」と2つめ「成功確率」が上向くと判断し得るニュースだからです。
(もちろん、大手製薬企業の判断がいつも正しいとは限りませんから、それぞれのご判断で割り引いたり割り増したりして考えていただくことになりますが。)

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